3,③虫歯予防の話

虫歯予防の主な方法。

1, 歯垢(細菌)を減らす。
2,   酸性の物、糖質のものなどの摂取の仕方に気を付ける。
3, フッ素などの薬品等を使う。
4, 他、シーラントなど。

今日は、
「3,  フッ素などの薬品等を使う」。

 「薬品等をつかう」の主な物では、よく、「フッ素」がとり上げられるのですが、

フッ素を取り込ませることにより、
(1)歯の表面(エナメル質の一部)が酸に溶けにくい性質となる(フルオルアパタイト)。
(2)歯の表面が溶け始めても(脱灰)、溶解積が小さいので、修復(再石灰化)が促進される。
(3)虫歯菌が酸を作り出すのを抑制する。

という効果があるのだそうです。

フッ素の使い方としては、
・全身応用
(飲んで取り込み消化管で吸収されたフッ化物が、エナメル質形成時に取り込まれ、虫歯に強い歯を形成。)
・局所応用
(萌出後の歯面に直接フッ化物を作用させる方法。)

 日本で身近に行われているものには、局所応用でフッ素の入りの歯磨剤、フッ素洗口、フッ素歯面塗布、などがあります。

 外国では、水道水に添加するフッ素の利用も行われていますが、
フッ素はその濃度によって、有害に作用する薬品であることから、
日本では根強く不安に思う方や、賛否両論あるというのが現状です。

「濃度を守れば安全なもので、確実に虫歯の本数が減らせるメリットがあるのだから、虫歯予防に使おう」
という推進派と、
「今後も濃度を守り続けられるという絶対的保障はなく、斑状歯や事故など安全面のデメリットを出した過去もあるので、使いたくない」等
という反対派に別れた議論になりがち。

 というわけで、ここでは、
「フッ素を使うという予防法もあります」
程度にサクッと流してみたと思います。(笑)
 実は、フッ素のことになると、
「こんなに安全なのに、なぜ使わない?! 使わないなんて愚の骨頂!」
みたいに、とても熱い口調になる先生も多く、
逆に、それに返される反対の方の言葉もきつく…。
 えー、というわけなので、皆様それぞれのモノサシで測って頂き、ここは個人の自由でいいのではないかと。
(中立。(笑))
 とりあえず、フッ素を使っての虫歯予防。
年代、取り込み方の方法、などにより、その効果のパーセンテージは大きく変わりますが、
一定の虫歯予防効果が認められています。

 

 その他に、最近ブームになっているものには、(厚生労働省のまとめには見つからなかったので、民間療法になるとおもいますが)「重曹」を使って虫歯予防する、という方法もあります。

重曹はパンのふくらし粉などの食用としても使われ、安心できる材料だと思いますが、
成分が弱アルカリ性のため、酸性に傾いた口の中を中和し、虫歯になりにくい環境にするのに、良いと思います。
ただ、多量に使ったり、粉のまま使用すると研磨作用が強く、刺激の強い一面があるので、水に溶いてうがいをし、はき出す程度がいいかもしれません。
(500mlのペットボトルの水に重曹3g(小さじ1杯)くらいの濃度がよいそうです。)
(塩分が取れてしまうことなどがありますので、塩分を取れない疾患の方等はお気を付け下さい。)
朝と寝る前、食後にうがいするとよいそうです。

虫歯予防については、
まだ研究段階で、今後も新しい知識や、技術が開発されると思います、
また現在も、日々続く多くの研究の中で幅広くいろいろな方法があると思いますが、
とりあえず今思いつく範囲で、比較的メジャーな方法について書いてみました。

 

「4, 他、シーラントなど。」のシーラントについては、こちらの記事に書いています。
『「虫歯の多くはココから発生。」 「シーラントとは。」』

● 1,虫歯とは

● 2,虫歯の原因を考える

● 3,虫歯予防の話①

● 3,虫歯予防の話② 「食物」

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