「歯、磨きます。」

「歯、磨きます。」

という看板が、歯科医院にあればいいな、と思うのは私だけかも知れませんが(笑)、
歯科衛生士が歯ブラシと歯間ブラシ等できちんと磨き上げた歯は、とてもきれいでスッキリとしています。

 でも現実には、歯科医院でPMTC(機械を使った清掃)は行われても、歯科衛生士が「歯ブラシと歯間ブラシ等で磨く」ことが、意外に少ないのではないかと感じています。

 歯周病治療、また治療後の再発防止には、毎日のブラッシング(歯磨き)がとても重要です。

歯と歯ぐきの間に歯垢が付くと、歯周病が進行、又は再発してしまうからで、
そのことをご理解頂き、患者様自身に歯垢の落ちる歯ブラシの仕方をお伝えするのがブラッシング指導ですが、
正直、毎日きちんとブラッシングができる方ばかりではありません。

ブラッシングの必要性を理解していても、毎日時間をかけて丁寧に磨く、ということをいつも誰もが実践できるとも限りません。

「歯の1本1本を磨く感じで、歯ブラシを動かして下さい。」
などと歯科衛生士(私)は簡単に言いますが、
歯はマックスで32本あります。

これに三面磨き(歯の表側を3面、裏側を3面に分けて磨く方法。詳しくはコチラの記事。『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』
なんて考えだしたら大変、
一体何面磨くの?

朝までかかるよね、って話です。(笑)
(実際にはそんなにかかりません。 が、勧められたブラッシング法に慣れていない患者様のイメージでは、そう思いかねません。(笑))

 時間、習慣、歯を磨こうと思える心の余裕、
そして、歯周病で歯を失うのは嫌だから等、磨こうという気持ち(モチベーション)、さらにある程度の手先の器用さ。

それらの要素がほぼ全て歯周病治療の歯磨きに必要だとしたら、
これは意外に大変なことだと思うのです。

 重度の歯周病で来院された患者様の歯の行方が、
患者様自身のブラッシングに委ねられ、
熱心にブラッシングすれば、なんとか残すが、
患者様自身のブラッシングが上手くいかない場合は、抜歯する、と書かれた歯科医院のホームページを読んだことがあります。

 いたしかたない部分はある、と思いますが、
幸い、歯垢は、誰が磨いても落ちます。

そして歯科医院は平日だいたい開いています。

保険では適用されませんが、自費でのブラッシングはできます。

 そこに患者様のニーズがあるかもしれません。

 誰の歯でもとりあえず来たら磨く、ではなくても、
歯周病の治療に入っている患者様や、本人のやる気とは裏腹に上手に磨けなくて歯垢の残ってしまう患者様、
現在の仕事に忙しく、歯磨きの仕方まで覚えて磨けない、という患者様など、きちんと治療をされている患者様に、
歯科衛生士が、歯ブラシと歯間ブラシ等できちんと歯を磨いて差し上げる。

「当院で治療に入られている患者様。
歯科衛生士による「歯磨き」、しております。
自費になりますが、ご相談下さい。」

 と、あると嬉しい。 そう思うこの頃です。

 

 

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