歯垢を落としたら、あとは歯科医院に通う

 歯ブラシと歯間ブラシ(フロス)の使い方を覚えたら、あとは、定期的に歯科医院にメインテナンスに通院することがお勧めです。

ブラッシングが毎日できるか、習慣になっているか、という問題はありますが、
手っ取り早く歯科医院に通ってから考えましょう。

 ここから先は、プロの手助けが大きく影響すると思います。

 

  歯周病の病気、その原因と対策、歯垢を落とすこと等を御説明しましたが、
今日はその他に、健康な状態でも、歯科医院に通うメリットについて書いてみたいと思います。

 歯科衛生士は、歯ブラシや歯間ブラシ等でも患者様の歯を磨きます。

私も歯ブラシと歯間ブラシで磨いた後に、患者様に鏡で確認して頂き、
「やっぱり衛生士さんに磨いてもらうと全然違いますね。歯ぐきのハレが無くなってキレイになっている。
自分でも昨日一生懸命磨いたのですが、なんかホントに歯ぐきが違う」
と、ブラッシングを熱心にしていらっしゃる患者様に言って頂いたことがあるのですが、恐縮です。
実は実際、自分の歯を磨くより、患者様の歯を磨くほうが、はるかに磨きやすいのです。(笑)

 他人の歯を磨くときは、口の中を隅から隅まで、入り組んだところも何もしっかり、目で確認ができます。
しかも毎日毎日歯ブラシで患者様の歯を磨き、動かし方も力加減も毛先を当てる場所も知り慣れている歯科衛生士が、口の中にライトを当てて、両手を自由に使い、磨き上げる作業は、
歯科衛生士自身が、自分の歯を磨くときより、断然、磨きやすい。

 自分の歯を磨く作業は、見えないという大きなハンデの中、裏も表も隣接面も歯垢をしっかり落とさなければならないので、難易度が違います。

 自分の口の中を、「ここはこうなっているから…」と想像できる歯科衛生士とは違い、
歯の形を習ったこともない一般の患者様には、さらにハードルの高いことだと思います。

とくに鏡で見えない部分は、感覚に頼って磨く、ということになるのですが、
これが難しく、一度覚えて頂いても時間が経つとやはりクセがでてくる。

ここにどうしても歯垢や、炎症を起こしている歯ぐきの部分ができます。

 これはどうしても自分では気が付けない部分なので、ぜひ定期的に、歯科医院に通って歯科衛生士にみてもらって下さい。

また、プロの歯磨きは、同じ歯ブラシと歯間ブラシだけで磨いた歯磨きでも、プラークの落ち方、歯肉溝のプラーク除去とマッサージ、磨き終わった後の歯ぐきの状態は全く違います。
歯科衛生士のする歯磨きも、ぜひ経験して頂きたいと思います。

きれいに歯磨きしても、歯科医院に通う必要性は、
ご家庭での歯磨きで歯石が付かないように完全に防ぐことができない、ということにもあります。
患者様に非が無くても付いてしまった歯石の表面は軽石状に穴がたくさん開いており、その中入り込んだ歯垢は、歯ブラシで除去されることなく、歯ぐきに付き続けて炎症を起こしだします。

 これをある程度の間隔で取り除いたり、機械で磨き上げて滑沢化するなどしてケアしていくことは、ずっと歯周病を引き起こさず過ごすことの出来るとても有効な手段です。

 患者様御自身が家でのブラッシングを、100頑張っていると考えたとして、
それを歯科医院でのケアして菌を減らしておくこと等で200の効果にすることができることもあれば、
歯石等がついてしまい50の効果になることもある。
それがPMTC(歯科医院での機械を使った清掃)、歯石除去など定期的に歯科医院に通院する目的の一つだと思います。

同じ努力で違う効果が出るのは勿体ないので、さらによい効果を引き出せるように、
ぜひ歯科医院へ、通院されて下さい。

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