「ふつう」 の毛のかたさ、ルシェロ歯ブラシ

 「普通」の硬さの歯ブラシは、特筆するほどもなく多くあります。

歯を磨くときに、「歯垢」が適度に落ち、気を付けて磨けば歯ぐきをすり減らす弊害がそれほどでないような硬さで 、かつ柔らかすぎない硬さ。
ま、要するに「普通」。(笑)

「やわらかめ」と「普通」の歯ブラシの選択では、主に、どれほど歯ぐきや歯に傷をつけないで磨けるか、というところをみることが多いです。
強く歯ぐきに毛先が当たると、傷やすり減り等の弊害が出るため、それがでにくい「やわらかめ」をお勧めすることが無難ですが、「やわらかめ」と「普通」の毛の硬さでは、「普通」の方が、少ない動かしかた回数で粘ついてしつこい歯垢が落ちやすいので、弊害さえ心配しなければ、「普通」をお勧めしたいところです。

つまり「普通」の歯ブラシの特徴は、「やわらかめ」の歯ブラシよりも歯面についた歯垢を除去しやすく、かつ、「かため」の歯ブラシよりも歯ぐきや歯のすり減りなどの歯磨きによる弊害を出しにくいというところなので、

歯周病に特化した歯磨きに関しては、「やわらかめ」をまず使用し、
「普通」は、ある程度歯ぐきが健康で傷が簡単に付かない状態のかたや、歯ブラシで力強く磨いたり大きく動かすクセが少なく、弊害の心配が少なく使いこなせるかたなどに向いているかもしれません。

また20歳代ぐらいまでの若年層のかたは、歯周病の症状が重症化することが比較的少なく、
まず、お口の中の歯垢、細菌の数を減らす感覚を覚えるのにも、「普通」の毛の硬さはよいと思います。
「やわらかめ」のものより若干歯垢は落としやすくなるので、比較的短時間でスッキリした感覚が味わいやすくなります。

 「普通」の歯ブラシの硬さをお使いになられるときは、一ヶ月くらい毎日磨いても、毛先が開かないぐらいの圧で磨いてみるのがいいと思います。
歯ブラシを歯に当て、とくに力を入れないままの圧で、毛先を移動させずに揺らす(振動させる)だけで、歯垢は落ちます。

毛先が当たっていること、それが振動すること、で、貼り付いている歯垢が歯面から離れ、
多くの粘着性の歯垢も落ちることになります。
この時、ある程度の弾力が歯ブラシの毛にあると、歯垢は落ちやすくなり、
この弾力が、「やわらかめ」のものより、「普通」歯ブラシのほうが強くあるので、
「歯垢を落とす」という観点から見ると、「普通」の歯ブラシに軍配が上がる、ということだと思います。

 どの硬さの歯ブラシにも言えることですが、毛が歯垢の付いている歯面にきちんと当たっていることは必要です。
丸みを帯びた歯の全面を磨こうとするときは、いろいろ角度から当てようぐらいに、当てる角度を変える必要があります。

いろいろな角度、というと、抽象的でまったく実践には向かない表現なので、
まずは前面、右面、左面、の三面を意識して角度を変えて磨いてみて下さい。
(こちらの記事を参照されてみて下さい。 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

 「普通」の毛の硬さの歯ブラシでは、「ルシェロ歯ブラシのB-10MやB-20M」 も一般的に広く使い勝手がいい歯ブラシかと個人的に思います。

ただ、毛の硬さは「普通」で磨きやすいのですが、歯ブラシの大きさはかなり小さめなので、そういう面で女性や若者向き。
男性にも奥の狭いところや、細かいところは磨きやすいのですが、その分小さめに作られているので好みの別れるところです。

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(上がルシェロ歯ブラシのB-20M。 下がB-10M。
B-10Mの方が若干大きめで成人向き。 B-20Mは小さめで山形部分も大きく出ているので、その分入り組んだところに毛先が当たり、凸凹のある歯並びの方や若年層の歯の抜け替わりの時期などにも向いていると思います。)
(使用所感記事はコチラ。
● 『最大手GCの高機能歯ブラシ 「ジーシー ルシェロ 歯ブラシ B-10M/S 」』
● 『GC ルシェロ 歯ブラシ B-20M ピセラ (ふつう)』

  その他にもいろいろな使いやすい歯ブラシがありますし、患者様お一人お一人の口の中の症状や状態などでもお勧めする歯ブラシは変わるので、『「普通」の毛の硬さなら、この歯ブラシ!』とは全く絞りきれないところなのですが、

前回記事 『「やわらかめ」 の歯ブラシ』 で、主に歯周病の治療や予防など歯と歯ぐきの境目を磨くことを意識した歯ブラシを選択したので、

今回、『「ふつう」 の歯ブラシ』 では、主に歯全体の歯垢を落とすように、口の中全体の歯垢が減らしやすいような歯ブラシを選択してみました。

 

ルシェロ歯ブラシのB-20MやB-10Mの植毛部分。
写真では多少見づらいのですが、先端が一つ山形になっていて、この部分が入り組んだ歯並びの凹部分などにも入りやすく、歯垢が落としやすい工夫がされています。
(ちなみに「B-20MとB-10M」のMがミディアムで「普通」のかたさ。 ここがS(ソフト)に変わったB-20SやB-10S(やわらかめ)もあるのでお間違えのないようにされて下さい。)

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 歯周病になる前の歯ぐきの状態は、比較的かたく、傷が付きにくいので、
「普通」の硬さの歯ブラシでも充分に予防ができます。
また歯周病になっても、必ずしも「やわらかめ」を使う必要までない場合もあり、患者様の歯磨きのクセや技術、好みによって「普通」をお勧めすることが多くあると思います。

 

関連記事
● 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

● 歯ブラシ、「やわらかめ」「普通」「かため」は、どれを選べばよいでしょうか

● 「やわらかめ」 の歯ブラシ

 

「やわらかめ」 のテペ歯ブラシ

 「やわからめ」 の歯ブラシの特徴としては、まず、歯ぐきを傷つけにくいこと。

歯ブラシで擦れることにより、歯ぐきや歯がすり減ったり傷ついたりするという弊害をなるべく少なくすることができるということがメリットです。
歯周病治療や予防のため、歯と歯ぐきの境目を磨く、歯ぐきに歯ブラシの毛が当たるように磨くときなど、
硬めの歯ブラシより、弊害が少なく安心して当てることができるので、とくに歯周病のかたや、その予防を意識して磨いた方がいい世代(主に30歳代以降など)に向いていると思います。

この弊害がでにくいことで、最近の傾向として、歯科医院でも「やわらかめ」や「普通」の硬さの歯ブラシをお勧めされることが多くなっているそうです。

 「やわらかめ」 の歯ブラシで、今の有名どころは、「テペ歯ブラシのエクストラソフト」かもしれません。

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(上から、テペの「セレクト エクストラソフト」(大、超やわらかめ)
「セレクトコンパクト エクストラソフト」(中、超やわらかめ)
「セレクトコンパクト ソフト」       (中、やわらかめ)
「セレクトコンパクト ミディアム」   (中、普通))

様々な歯ブラシがあるので、どれか一本にというのはなかなか難しいところなのですが、
歯周病治療や予防で、いろいろな歯科医院でお勧めされ、テレビなどで取り上げられることもある歯ブラシです。

実は歯科先進国スウェーデン製。
スウェーデンでは、このテペ歯ブラシが約8割のシェアを占めるそうで、
そうなるともう国民的な歯ブラシ、というような位置づけなのかもしれません。
(スウェーデンは1970年代から予防歯科に力を入れ成果を上げている国で、歯周病で歯を失う率や虫歯の本数が、日本に比べて極端に少ないことから歯科先進国と言われています。)

使ってみると確かにやわらかい。

やわらかい歯ブラシは、その分、歯垢が落ちにくくなるということもあるのですが、
これを「高密度植毛」という歯ブラシの毛の本数でカバーしていると思います。

毛先一本一本がやわらかく、当たりがソフトになって、その分粘りけのある歯垢は「かため」のものより取れにくくなるのですが、高密度植毛により毛の本数を増やして、つまり何度も同じ所が磨かれることにより、歯垢が落ちやすくなるという工夫をしているように思います。

 テペ歯ブラシの特徴としては、力の入りすぎない柄の形を採用していることも有名です。

人間工学に基づいた研究から、この形が開発され、テペ社としてはとても自信をもっている柄(グリップ)だそうで、
子供用歯ブラシから大人用歯ブラシまで、超軟らかい毛から軟らかい毛、普通の毛まで、テペ歯ブラシの全商品に、
同じ柄(グリップ)の形が採用されています。

テペ社は、歯を磨くときにどの位の圧がかかっているか、ということ、その力加減に非常にこだわって歯ブラシを開発している、ということがよく分かる特徴だとおもいますが、
エクストラソフトの歯ブラシの毛の柔らかさも、このこだわりからきているように思います。

日本にも様々な種類の歯ブラシがあり、それぞれこだわって作られている製品があるなかで、
わざわざスウェーデン製の歯ブラシを取り寄せ、置いている歯科医院も多くあるのは、
その柔らかさや力加減が、歯周病治療をするときにつかう歯ブラシとして現在のところ、抜き出た製品ということなのかもしれません。

「やわらかめ」の歯ブラシは、もう少し硬めの毛を使っていた方などには、はじめ物足りない感じがあるかもしれませんが、
歯ぐきの状態があまりよくない場合などは、まず、「しばらく使うと慣れることが多いので使ってみて下さい。」とお勧めされることが多いです。

実際に、最初は物足りなく感じても、段々と慣れ、最終的に「柔らかい歯ブラシしか使いたくない」と思われることもあります。

ただ、どうしても慣れない、やはりもう少し硬めを使いたいと思われる方もいらっしゃるので、その場合、
症状的に歯ぐきに炎症がある場合や、歯ブラシの使い方で力が入ってしまったり大きく動かしてしまったりすると、
なるべく軟らかい毛がお勧めということがあるのですが、そこを改善してくると、必ずしもずっと「やわらかめ」にこだわらなくても良い状態にしていけることもあります。
症状や動かし方に問題のあるうちは、まず「やわらかめ」で慣れるように使用してみて、
その後、症状やブラッシングのかけ方の改善、好み等によって、徐々に患者様御自身の納得のいく歯ブラシを考えていくのがいいかもしれません。

歯周病治療で、長時間歯と歯ぐきの境目を磨いたほうがいい患者様などには、
エクストラソフトぐらいの柔らかさがあると、リスクが少なく安心感がある、という弊害を気にした観点から、「やわらかめ」が勧められるという部分もあると思います。

● テペ歯ブラシの使用所感記事。 『スウェーデンで約8割が使用する 「TePe (テペ) 歯ブラシ」』

 

歯ブラシ、「やわらかめ」「普通」「かため」は、どれを選べばよいでしょうか

 歯ブラシの毛の硬さには様々なものがありますが、
「やわらかめ」、「普通」、「かため」などで選べるようになっていることがあります。

今回はこの選び方を書いてみたいと思います。

 毛の硬さの違いは、患者様個人個人の好みの問題もありますが、
それぞれにメリットとデメリットの特徴があり、どれも捨てがたい面があります。

 歯ブラシは、引っかかりのないツルツルの歯面に付き続けるぐらいのベタつきやヌルつきのある歯垢を落とすための物なので、
「歯垢を落とす」という一点からだけ考えると、ある程度の硬さと弾力を持った比較的「かため」の歯ブラシの方が、容易に歯垢を落とすことができます。

なので、「歯垢を落とす」そこだけ考えると、「かため」 > 「普通」 > 「やわらかめ」の順。

ただ問題は、歯磨きには弊害がある、ということで、
歯ブラシを使って歯を磨いた結果、歯ぐきを擦りすぎて歯ぐきがすり減ったり、歯がすり減ったりすることが多くあり、
力を入れずに磨いたり、大きく動かさず小さく小さく動かす等、弊害がでないように磨くことがとても大切になります。

ブラッシング指導を受けたことが無く、全く歯の磨き方を知らない時や、また、歯の磨き方を習っても、即、上手に磨けるというわけではなく、理想通りの歯磨きをマスターするのはなかなか難しいので、
力を入れすぎたり、大きく動かしすぎていたり、歯ぐきや歯が必要以上に擦れ、すり減り等の弊害のでることが多いのですが、
その場合、「かため」の歯ブラシであればあるほど、つよく歯ぐきや歯に当たって擦れてしまいデメリットがでやすい。

つまり、歯垢の落としやすい、「かため」 > 「普通」 > 「やわらかめ」の順で、歯や歯ぐきが擦れて減ってしまうなどのデメリットも大きく出やすい、ということになります。

一度、擦れて減ってしまった歯ぐきや歯を再生することは難しいので、

現在、歯科医院でお勧めする歯ブラシは、「やわらかめ」と「普通」が主流。「かため」はあまりお勧めされないことも多いそうで、歯科医院専用の歯ブラシには、そもそも「やわらかめ」と「普通」しか選べないシリーズのものもあります。

 歯ブラシには、意外に時代の流れというか、「今の主流」というようなものがあり、
今後もいろいろな歯ブラシが取り上げられて、変化していくと思いますが、現在の歯ブラシの硬さの流れとしては、こういう感じではないかと思います。

 

 また現実的な硬さの選択を、歯科衛生士として一般的な話として患者様に御説明すると、
(実際の個々のケースでは、力加減や症状などをみてお勧めする歯ブラシが変わります。)

「やわらかめ」は、
主に歯ぐき。 歯周病予防や治療に向いています。
歯ぐきの炎症をおこして、歯ぐきが軟らかくなってしまっている方、出血しやすい方にもお勧め。
磨くときに多少力が入ってしまっても、歯ぐきがすり減るなどの弊害がでにくいので、歯ブラシを上手く使いこなせない、力加減の難しい方にも、無難な歯ブラシだと思います。

「普通」は、
歯ぐきが健康にちかいかたや、歯磨きがある程度上手にこなせて、歯ぐきをあまり傷つけることなく磨ける方に。
個人的な好みで、「やわらかめ」では物足りない方もいらっしゃるので、ある程度性格に合わせた選択も必要だと思います。
また、歯についた歯垢は柔らかめの歯ブラシでは落ちにくいこともあるので、「やわらかめ」よりも短時間でスッキリできるメリットもあります。
虫歯を気にして歯全体の歯垢を落としたいかたや、20歳代くらいまでの若い方には、「普通」をお勧めすることも多いと思います。

「かため」は、
どちらかというとプロ仕様、または上級者向けの歯ブラシになるかもしれません。
歯磨きによる弊害(力の入れすぎ又は擦れによる歯ぐきや歯のすり減り等)に気を付けなければいけないのが難点です。
 ただ、歯垢自体はツルツルの歯面にくつく粘りけのあるもので、その上ヌルついて容易に落ちないという特徴を持つ細菌群なので、
ある程度の硬さと弾力がある歯ブラシの毛先のほうが、「何度も往復させる」というような作業が少なく短時間で落とせます。
弊害に気を付けて使いこなすことが出来ればいいアイテムなのですが、
力加減が強かったり、大きく動かすというクセのある方には不向きな一面もあります。
「かため」といっても、あまり硬すぎるものはお勧めできませんが、調度良い弾力と硬さのある歯ブラシは、弊害に気を付けて磨くことができる上級者になると、歯面がツルツルという感じも比較的容易に味わうことができるので、
好みと実力、歯ぐきの状態が合えば使える歯ブラシだと思います。

 いずれを選ぶにしても、まずその方の口の中をみて、歯や歯ぐきのすり減り等の弊害がないか、歯ぐきの健康状態や硬さ、ご本人がどのくらいの力加減、また小さな動かし方で磨くことが出来るか、それに個人の好みの問題なども考慮して、歯科医院で一度みてもらうといいと思います。

 歯科医院に行く前の段階でぜひ知りたいという方には、「やわらかめ」から入るのが無難です。
それでもう少し硬めが好み、磨いて問題がないということであれば「普通」。
歯ぐきが健康な、20歳代くらいまでの方も「普通」で磨くことが多いとおもいます。
「かため」は、弊害に注意しなければいけないので、ブラッシング指導を受けられて歯科衛生士に聞きながらお使いになるのがいいかもしれません。

例えば、ブラッシング指導で一度は症状的に見て「やわらかめ」をお勧めされても、
どうしても本人の好みに合わなかったり、弊害が出ないほど上手に歯ブラシを使いこなせるようになったら、磨き方に気を付け、弊害が出ないように磨き方の問題を改善しつつ少しずつ硬さのあるものに変えていくこともできるので、歯科衛生士と相談できるブラッシング指導に入られると、より的確な歯ブラシが選べます。
歯科医院で「ブラッシング指導をしてほしい」と希望するとブラッシング指導に入ってもらえるので、ぜひお聞きになってみて下さい。

口臭が気になるときは、口臭外来へ

 歯科衛生士は数年、専門の学校に通って歯科衛生の勉強をし、口の中の清掃の方法や知識を学びます。

歯周病で歯ぐきが赤く腫れ、歯ぐきの下で歯槽骨が溶けて膿の出ているぐらい悪化している患者様が、
(コチラの記事。 『なぜ、歯周病は口臭がするのか? 「膿」は肉眼でも確認できます。』
ブラッシング指導を受けられ、歯石除去や歯科医院で口の中の清掃(クリーニング)を受けられることで、歯周病が改善され、健康になっていって、歯を残せるようになることは、多くの歯科衛生士がやりがいを感じるところになっていると思います。

ただ、口の中の清掃をきれいにすることだけで、必ずしも口臭が無くなるわけではありません。

歯周病であったり、虫歯があったりすることで、口臭は発生しますが、
それ以外の原因があったり、体調などが関係している場合もあります。

日常の診療の中で、患者様を見せて頂くときに、歯周病の臭いなどは分かるようになりますが、
歯周病や清掃だけが口臭の原因ではないので、
もし、口臭に関して患者様から質問を受けた場合には、歯科医師にお伝えして診断をして頂きます。

歯科医院には、小児歯科や歯周病、義歯、インプラントなどなど、それぞれの先生が得意としている分野があります。

口臭についても専門の機械を使って測定し、そのデーターで診断されるなど、「口臭」を分野としている先生がいらっしゃいます。
もし、気にされているのであれば、そういう歯科医院に行って、数値化したデーターで対処されるのがいいかと思います。

 私は歯科衛生士学校時代に、毎朝、御自分の歯科医院に勤めている歯科衛生士全員の口臭をチェックする。
という先生の講義を受けたことがあります。

 もうかなり昔の話で、そのころ、口臭を成分の数値でチェックできる今のような機械は、あまり無かったのではないかと思うのですが、
チューブの両端にそれぞれ、漏斗(ろうと)状の物が付いていて、片一方から歯科衛生士さんが息を吐くと、もう片一方のチューブの先に付いた漏斗状の物を先生の鼻につけて臭いを嗅ぐ、みたいな感じの写真を見た気がするのですが、
先生は、「毎日きれいに磨いても、口臭はあります。生理的なものでどうしようもないものもあるんです」とおっしゃっていました。

正直、そこまですると考えると、自信がありません。(笑)
とりあえずニンニクは控え、今より長い時間をかけて歯を磨いてしまうことは間違いありません。(笑)

ただ、患者様の立場になって考えてみると、そういう口臭チェックを詳しくしてもらい、
(今は機械での測定ができるので、そちらのほうだと思いますが)
その原因に応じた、対処を教えてもらって治療し、口臭をなくしていくのがいいと思います。

口臭は、御自分で気にされていても、現実には他人に分かるほど強いものでなかったり、
本人は全く気が付かずに、強い口臭を持っていたり、と
本人がその状況を正確に判断しづらいものです。

口臭治療を得意とされている先生は、たいてい、歯科医院の看板に記載してあったり、ホームページなどに書いてあったり、力を入れて治療されていることも多いので、
気になる方は、ホームページを検索して調べてみるのがいいかもしれません。

なぜ、歯周病は口臭がするのか? 「膿」は肉眼でも確認できます。

 歯周病になると、「口臭がする」とか「口の中が粘つく」、などと言われます。

ただ本人には分かりづらいので、発見が遅くなることが多いです。
口臭も毎日ですし、口の中の粘つきも、「こんなのもだろう」と思ってしまえる範囲。

エイリアン並みにネバーっと激しく糸でも引けば別ですが、それほどでもなく、歯周病が進んでいなくても糸は引くので気づきにくい状態です。

 さて、「なぜ、歯周病は口臭がするのか」、という問題ですが、
それは、歯周病の現場、そこから発生するものがあるからだと思います。

 下の写真の、青い丸の中、歯と歯ぐきの間に注目して下さい。

IMGP4373 point1

この写真の、歯と歯ぐき間に隙間があるのが分かりますか?

先日の記事(『患者様のブラッシングで歯科医師や歯科衛生士が見ているところ。』)でもこの写真をのせ、歯垢の落とし方を書いたのですが、
歯周病の原因は、この歯と歯ぐきの間に歯垢(細菌)が入り込むことです。

少し分かりにくい写真かとも思うのですが、この歯と歯ぐきの境目の部分には、隙間が空いています。

なので、こんなことをしても、あまり痛みはありません。

IMGP4385

この隙間は健康な歯ぐきでも、2㎜ぐらい空いているので、器具の先は痛み無く入ります。

ここが「歯肉溝」(3㎜以上の深さになった場合、「歯周ポケット」と名称が変わる)と呼ばれるところなのですが、

歯周病の原因菌はこの歯肉溝(歯周ポケット)から侵入し、留まることで、
歯と歯ぐきを結びつけている繊維組織を断ち切り、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし始めます。

これは短期間のウチに急激に進行することのほうが少なく、多くの場合長期にわたって、そこに歯垢があることにより、
何年もかけて骨が溶かされ続ける慢性病です。

このため、骨が溶けるほどの炎症を起こしているにもかかわらず、痛みや熱がほとんどありません。

これが歯周病という病気なのですが、
この歯周病になると、骨が溶け、膿が発生します。

そして膿が、この歯と歯ぐきの間から出てくる。

実はこの膿は、肉眼でも確認することが出来ます。

 歯周病に罹って骨が溶け、膿が出ている患者様の歯ぐきのここらへん、を指でそっと押すと、
(ピンクの丸の一帯あたり、ちょうど、歯ぐきの下で歯槽骨が溶けていると思われる辺り)

 IMGP4387 point1

歯と歯ぐきの間(境目)から
白濁した膿がムニュムニュっと出てくるのが、目で見られることがあります。
(排膿(はいのう)といいます)

歯周病は長い年月、活動期と静止期を繰り返して骨(歯槽骨)を溶かし続けるそうで、
活動期に主に排膿が見られ、静止期にはあまり見られないなど、歯周病だからといって常に排膿が見られるわけではないそうですが、
現実に歯科医院では、患者様の歯と歯ぐきの間から、膿が出てくるのを診療で目の当たりにします。

この目に見える膿だけではなく、検知すると臭いの元のガスなども発生しているそうですが、
私は口臭で、歯周病だなと分かる臭いがあります。
普段の生活の中でも50歳代くらいの方とお話ししたときに、感じることが多いです。

普通、口臭は50㎝ぐらい離れると分からないそうで、
よく言われる口臭の対策には、「50㎝以上離れて近づかない」みたいな究極の?方法もありますが、(笑)

ときどき、この歯周病の方の口臭が、広がるように漂っていると、歯周病が進んでいるように感じ、
「歯医者さんに行った方がいい」、と冷静に思います。

「あ、排膿してるな」 とは思いますが、
私は意外と、この臭い…、
嫌いじゃない。(笑)
(多分、私だけ。(笑))

何というか、まあ確かに臭うのですが、
過去に優しくしてくれた患者様方を思い出すというか、
世の中のために尽くしたり家族のお世話をしていたり、立派な方々にも口臭が無いとは限らない。

二十歳代の何も知らない一所懸命なだけの、歯科衛生士の話を、
丁寧に聞いて、優しく言うとおりにして下さった患者の皆様に頭が下がるというか。

(本当は私が尽くすべきなのに)大人の患者様方に優しくしていただいたな~、という記憶の臭いなんですよね、多分私にとっては。
臭いが強ければ、「一緒に頑張りましょう」みたいな気持ちになる、というか。

ただ、決して香水にしたいとかそういう臭いではなく、世の中の皆さんにとっては、くさいと感じられる臭いでもあるので、
ここは歯科医院にいって、歯と歯ぐきの間の歯垢を取るように磨いて、歯周病治療をしていきましょう。