80歳で20本の歯を残すのは、「意識」すれば意外ににカンタン

 順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生(大ベストセラー『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』を書かれた先生)は、
著書 『超一流の人の「健康」の極意』で、

白い紙に点を書き、そこから水平の線を引く。
いわばこれが超一流ではない人の心と体の状態。
でも次この点から、1ミリ=1度でも上に角度を付けて線を引くと、
線はどんどん上に向かって伸びていき、最終的に水平の線との差は、大きく広がっていく。

これが超一流の人と、そうではない人との違いで、
人生に手遅れはなく、気がついたときから始められることで、また誰にでも出来ないほど難しいものでもない、

超一流の人は、決して遠い存在ではなく、たった1ミリ前に踏み出したら、あなたの心と体の健康も超一流になれるのだ、

ということを書かれ、その具体的な方法を載せられています。

 

 斎藤一人先生の書いた『微差力』という本があります。
「銀座まるかん」という健康食品の会社で売上げ、生涯納税額が日本で第一位。
といっても、まだお若く元気でご活躍されているので、これからも納税され続けると考えると、
一体どれだけ日本に貢献されるのだろう、という方でいらっしゃいますが、
それだけの成功を収めている斎藤一人先生も著書の中で、

成功する人としない人の差は「微差」。

ほんの少しのことを、「するかしないか」だ。

ということを書かれています。
これだけの大成功者が、成功しない人との違いを「微差」だと言い切るのは驚きですが、

小林弘幸先生と、斎藤一人先生は同じ事をおっしゃっていると思います。

 さて、とも歯科衛生士さんには珍しく、なんかスゴイ方々を持ってきてしまった壮大な記事の書き出しになりましたが、(笑)
話を記事のタイトル通り、80歳で20本の残存歯、に戻しますと、

「80歳で20本の歯を残せるかどうか」も、この微差、1ミリの違いであると思います。

現在、後期高齢者の3人に1人が「総入れ歯」を使っている状態だそうですが、
歯は、ほんの少し「する」だけで、高齢になっても20本は残り、生涯自分の歯で食べ物を食べることが出来る、その予防法がスウェーデンで成功しています。

厚生労働省や日本歯科医師会が「8020運動」(80歳で20本の歯を残す運動)を推進しているのも、
これが夢ではなく、少し意識すれば日本全体で実現可能な数字だからです。

ただ、そこには微差、ほんの1ミリ意識を向ける必要があります。

 私の祖父は八十歳代後半で天寿を全うし亡くなるまで、ほとんど歯が残っていました。
キチンと数えなかったとは歯科衛生士としてどうなの? という感じですが、(笑) 全て残っていたのではないかという感じです。

毎日丁寧に歯を磨いていたことが功を奏したと思いますが、
私がブラッシング指導するなら、「もう少し細かく歯ブラシを動かして下さい」と、言っていたかもしれません。

几帳面でキチンとしていて、丁寧にけっこう細かく動かして何分か磨いていましたが、
かなり時間をかけて磨く、とか、端から見て負担になっているのではと思うほどではありませんでした。

多分100%歯垢が落ちる磨き方ではなかったはずですが、
ある程度丁寧に磨けていたことで、歯を残しました。

 永久歯は28~32本あり、

それを現実的に、何十分も時間をかけ、毎日一日も休まず継続しなければ、八十歳で20本残すことはできない、とは、限りません。

ある程度、歯垢を落とす努力をする。

定期的に歯科医院で歯垢や歯石を落としてもらい、
少しでも歯と歯ぐきの間の歯垢を落とすことを意識する。

一度やり方を覚え、これだけのことでも、だいぶ変わります。

もしかしたら、ここが微差力。
1ミリの意識で、大きく結果を変えるところだと思いますが、
たとえ完ぺきじゃなくても、自分で出来る行動をして、丁寧に汚れを落とそう、とする意識は非常に大切。

なるべく丁寧を継続して、より多くの歯を残せるような努力に変えることも必要ですが、

まず「健康に過ごそう」「歯を残そう」と「意識する」。
このことがきっと、80歳で御自分の歯が残っているか、残せないかの明暗を分けます。

もちろん、人それぞれで例外もあり、
全身の疾患や体質があって、丁寧に磨いても歯周病に罹りやすい方はいらっしゃいますし、
喫煙の習慣等から、歯周病が良くなりづらいかたもいらっしゃいます。

ただそれがあるからといって、まだ歯を失う前から、自分はズボラだから、そこまでできないから、難しそうだから、と諦めてしまうのは、あまりにももったいない。

完ぺきに磨けなくても、8本失っても、
残すことを意識して磨いていたことで、20本ぐらい残すことが出来る、ということは、多いと思います。

歯と歯ぐきの境目、どこの歯垢を、取ればいいか、
どのように歯ブラシを当てれば歯垢が取れるか、
というポイントに絞って歯科衛生士の話を聞き、

定期的に歯科医院に通って、歯石や汚れを取ってもらう。

毎日完ぺきに歯を磨けなくても、
忙しい時期に歯磨きの手を抜いてしまうことがあっても、

知識と意識があれば、多くの歯を残せる可能性は高くなります。

 

 ぜひ、どこも悪くないうちから「歯石除去」などを希望して、クリーニングで定期的に歯科医院に通い、

勇気を出してボソッと、「歯の磨き方、ブラッシング指導を受けたいんですが」とつぶやいてみていただきたいと思います。

それが御自身の8020を実現する道かも知れません。

(ブラッシング指導は「予防歯科」をしている歯科医院だと、受けやすいかと思います。)

 

コメントは受け付けていません。