歯を残すための知識



 歯を残すために必要なのは、そのための知識だと思います。

 「年を取ったら、入れ歯」

ということを当たり前のように感じているかもしれませんが、実はそうではありません。

高確率で防ぐことの出来る歯周病を知らず、ある程度放置してしまった方々が、歯を喪失し、入れ歯になっていることが多い、という状況に近いと思います。

 現在、日本の歯周病での抜歯は、40歳代から目立ち始め、50~60歳代で多さのピーク、
70歳代で「もう抜く歯さえ少ない」という理由で減少していき、
後期高齢者の3人に1人が「総入れ歯」を使っている状態となっています。

ただ、スウェーデンでは、80歳でも、平均残存歯数は約20本とのこと。

 この理由は、1970年代に「予防歯科」を国家的に導入したことで、
それまで日本と同数ほどあった歯周病や虫歯での抜歯数を激減させました。

これを明るい希望ととらえるか、
そのまま放置してしまうかの選択でもあるのですが、
歯周病は、歯科医院に定期的に通い、歯石除去や歯のクリーニングを受けたり、歯周病にならないよう磨き方を歯科医院で聞いて歯垢を減らすこと等(予防歯科)が出来れば多くを防げる病気。

ただ、国家的に予防歯科を取り入れていない日本で、高齢になっても歯を残すことができるかどうかは、
このこと(予防歯科)が大切であることを知っているか、という個人の知識と意思にかかっていて、
そのことを知っている方々だけが、歯科医院に定期的に通い、
歯を残せている、という現実があります。

 30歳代の約80パーセントは歯周病、といいますが、予防できる磨き方を知らなかった場合、
ある一定年齢以上になると、歯周病は、本当に高確率でかかる病気です。

歯を歯周病で失わないためには、「何も調子の悪くないとき」に、歯科医院に定期的に通うのが、大きな保険、
場合によっては決め手になる、という感じだと思います。

 歯を残すのに必要なのは、まず歯科医院に通うこと、という単純な第一歩です。

今は、知識を持っている方も増え、
「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取ってもらおうと思って」 というような予約は、全く珍しくありません。

 何も調子が悪くないとき、健康なときに歯科医院に行き、ケアをしてもらうことは、

「歯を失ってから、入れ歯やインプラントに時間とお金をかけ、さらに噛めない不自由な思いもしてしまうか」、

「健康なうちに先手を打ってケアに通って予防に努められるか」、の選択だという知識が有り、現実をお知りになると、

多くの方が健康なウチに歯科医院に通うことを選択されます。

 どこも調子が悪くない、虫歯にかかったこともない、という方もぜひ、
(30歳代以降の方にはものすごく強く、ぜひ!

「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取って貰いたいと思って…」 とか、

「どこも調子が悪くないんですけど、歯のクリーニングをしてもらいたいと思って…」

という電話を歯科医院にして、
予約を取って通い、定期的に診てもらうといいと思います。

オススメ記事。

● このブログの肝? 歯を長く残すために、とても重要なポイント2つです。
『友歯科衛生士の、長い年月、ご自分の歯を残すためのブログ』

歯垢をより多く落とし、歯周病を防ぐブラッシング方法の一つ
● 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』

友歯科衛生士の、長い年月、ご自分の歯を残すためのブログ

 サイトの記事も少しずつ増え、
この歯科衛生士ブログのタイトル、『友歯科衛生士の「長く、歯を残すためのブログ」』の、
長く歯を残すには、結局どうすればいいの?
という一番大切なポイントの答えが、分かりづらくなってくるかも、と思い、
(多くの記事の中から探すのは大変)
まず大切だと思うポイントを2つに絞って、この記事に書いてみようと思います。

書けばまだ続きはありますが、
まずはここからスタートしていただいて、
歯科医院に行っていただければ、そこで救っていただけるので大丈夫かと思います。

ということで、
この歯科衛生士ブログの肝? 歯を長く残すために、とても重要なポイント2つ。

1つは、定期的に歯科医院に通い、歯周病のチェックや歯石除去、クリーニングなどの予防歯科を受けること。
2つめは、そこで歯磨きの方法を聞いて磨くことです。

2つともできることが理想ですが、例えどちらか片方しかできない時も諦めずに、1つだけでも実践されてください。
歯周病にかかる前、初期の段階であればとくに、歯が残る期間は、1つだけ実践するだけでも、大きく違ってくる可能性が高いと思います。

 

 年齢が上がり、歯を失う原因の第一位は、「歯周病」です。

 「歯周病」で、歯を失う確率。 日本は、スウェーデン、アメリカと比べるとずいぶん高いです。

 この原因はまず、歯を長い年月残すための、「歯科医院のかかり方」を知らないこと。

教わる機会は少ないかもしれません。

 歯を長く残すための歯科医院のかかり方を知っていれば、歯を失う人は大きく減少。

歯科医院のかかり方、正しい方法は、「虫歯になったら通う」ではなく、
虫歯も不調もない時に、歯石除去やクリーニング、定期健診に通うこと。
(予防歯科)

数か月に一度、歯科医院で予防歯科を受けると、歯を失う確率は激減します。

 

 歯周病は、何本もまとめて抜歯になることの多い病気で、
30歳代以降になると、日本人では約80%の方がかかるそうですが、

反面、「歯周病は、防げる病気」。

体質や病気など例外もありますが、
基本的に、歯周病で歯が抜ける原因は、歯と歯ぐきの間に住み着く「歯垢(プラーク)」の中の菌なので、
これを落とすことができれば、歯周病にならず、それによって歯が抜けることもありません。

 歯周病を予防する一番の方法は、

「歯科医院に行くこと」です。

 えっ? 汚れを落とせばいいなら、歯磨きでは?

と、言うところですが、ここが落とし穴。

 原因となる汚れ、菌の住みかは、ご自分でする歯磨きで取れる範囲を超え、
歯ブラシでは取れない歯石や、ネットリ絡みついて容易には落ちないバイオフィルムと呼ばれる菌叢(排水口のヌメリのようなもの)など、
また、歯周病は痛みも音もなく、目立った症状を出すことなく進行し続けるサイレントな病と言われていて、
個人の力だけで歯周病を予防しきることは難しく、気が付いたときには、抜歯を勧められるほど進行している、ということが多いです。

歯科医院の管理下に入らず、診てもらう機会なく40歳代以降を過ごすことは、
歯科衛生士の立場からは決してお勧めできないデンジャラスな行為。
歯周病の進行、抜歯と隣り合わせの危険を感じます。

 虫歯のない方はとくに、歯科医院に行かずに過ごすことが多いため、
歯科のチェックもなく、気が付いたときには抜歯というところまで歯周病が進行していることがとても多くあります。

 30~40歳代以降の方はとくに、ぜひ、歯科医院でチェックを受け、歯周病を防ぐ歯の磨き方を聞いて実践されてください。

「気が付いたときには手遅れ」ではなく、「今ならまだ間に合う」という時期に、歯磨きの方法を教えてもらえると思います。

 歯科医院には、虫歯になってからいくもの、というのは昔の話。
今は、予防歯科が大切であるという考え方が歯科の常識で、
虫歯も不調もないうちに、多くの皆さんが歯科医院に来られます。

ここが、歯を長く残せるかどうか大きく違ってくるところで、
このことを知っている方々だけが、歯科医院に通い、長く歯を残せているのが現状かもしれません。

 ということで、このサイトで一番お伝えしたい内容、
ご自分の歯を長い年月残す方法は、予防のために虫歯じゃなくても調子が悪くなくても、クリーニングなどで定期的に歯科医院に行くこと。
そこで正しい歯の磨き方を習って磨くことです。

 ぜひ、どこも不調のないうちから、「歯石をとってほしい」、「健診、クリーニングをしてほしい」という電話をして歯科医院に予約をとり、定期的に通院して、長く、歯を残していただきたいと思います。

☆ おススメ記事

● 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

歯垢をより多く落とし、歯周病を防ぐブラッシング方法の一つ
● 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』

● 歯を長く残すために、とても重要なポイント2つ。
『歯を残すための知識』


「正しい歯の磨き方」は、歯科医院によって違う。

 実は「正しい歯の磨き方」は、歯科医院によって違います。

一つの磨き方、これが正しい、ということはなく、

毛先を歯ぐきに向けたり、直角に向けたり、はたまた歯ぐきとは逆の方向に向けたり、といろいろ。

えーっ! と驚かれたかもしれないのですが、

結局、正しい歯の磨き方とは、
歯垢がキチンと取れ、歯ぐきや歯など生体に弊害の出ない磨き方。

やり方は専門家でも人それぞれ、というところです。

 じゃ、私の磨き方でもいいんじゃないの?
と思われたかもしれないのですが、
「正しい歯の磨き方」の共通点は、病気になりやすいところの歯垢が落とせること。
例えば歯周病の予防や治療の場合なら、
要はココです。
(歯と歯ぐきの境目。)

 で、歯科衛生士としては、それぞれの歯科医院長のおススメする方法を主に指導することになるのですが、

患者様が前に通っていた歯科医院で指導を受けていると、そのやり方を自己流にアレンジしていたりします。

 正直、前に指導を受けたやり方を正しくしていれば問題なかったりするのですが、
そこに自己流アレンジが入ってしまうのが大半。
人にはそれぞれクセがあるので仕方のないところです。

 さてそんな時。

歯科衛生士さんだと、変えるのが大変そうなアレンジを受け入れたり、
工夫して磨けるように練習して、ココ、というところを直し、
境目につく歯垢を落せるように教えてもらえることも多いのですが、

患者さまご自身で本などを参考に磨こうとする場合は、
やはり一から学ぼうと、完全に歯の磨き方を変えられようとする場合が多いようです。

 人にはそれぞれ磨き方のクセがあって、
動かしやすい動き、磨きやすい磨き方も人それぞれ。

本に書いてある方法がそれとピッタリということは少ないと思いますが、
歯科衛生士さんに聞くと、その患者様の動かし方の特徴をとらえて、
一番効率よく磨きやすい方法を教えてもらえると思います。

 また、磨き残しは誰にでもできるもの。
そこがどこなのか?
自分の磨き残しするところをピンポイントで教えてもらえ、解決することができます。

 いや~、私も教えて欲しい!
磨き残しているポイントとか、病状とかちゃんと見て欲しい~。
できれば優しい歯科衛生士がいい。

と思う歯科衛生士さんは私だけかもしれませんが、(笑)
長年すると、思い込みが強く、癖で磨き残しができていても自分では気づきにくい、という特徴があります。

 先日、それを回避するために時々歯科衛生士さんにみてもらう、という真面目な歯科医師の先生の記事を読ませていただいたのですが、
プロでも紺屋の白袴にならないように気をつけるところ。

歯のクリーニングを勧める歯科医師や歯科衛生士さんが、自分もしばらく受けてない、なんてこともあります。

 ただ、プロは大きな異常になる前に、これは受けなくてはまずい、と分かるのも特徴。

ここが、患者様との大きな違いかもしれません。

 一度ブラッシング指導を受けられている患者様にも、定期的にブラッシング指導を受けていただくようにします。
かなりキレイに磨けている患者様にも、定期的に行うのがブラッシング指導です。

 正しい歯の磨き方は一つではありませんし、
歯科医師や歯科衛生士も一人ではありません。

 いろいろな磨き方、いろいろな優しい歯科衛生士さんがいらっしゃるので、
もし、なにか歯科医院に行きたくない出来事が過去にあったり、
一度、歯磨きに挫折した方も、
(難しくて磨けないと思った、など)
次の歯科医院では、優しく出来るまで教えてもらえるかもしれません。
(練習は大切です。)
(とも歯科衛生士さんみたいな歯科衛生士さんが待っているかも。(笑))
(微妙。(笑))

 今は歯科医院も競争の時代。
歯科医院の数はコンビニの数より多いそうです。

分かりやすく親切な歯科医院が増えているので、いろいろな歯の磨き方を聞いてみるといいと思います。

 

おススメ記事

☆ 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

安心感ナンバーワン 「やわらかめ」の歯ブラシ。

 「やわらかめ」の歯ブラシは現在、お勧めされることの増えた歯ブラシだと思います。

その大きな理由の一つは、弊害が少ないこと。

 歯や歯ぐきを傷つけることが少なく、安心して磨ける歯ブラシ、
今、注目の? 「やわらかめ」または「超やわらかめ」。

 例えば、歯科先進国スウェーデン国民の、約80%が使っているというテぺ歯ブラシでは、
選べる歯ブラシの毛の硬さが、「ミディアム」、「ソフト」、「エクストラソフト」。
(「ふつう」「やわらかめ」「超やわらかめ」)

「かため」「ふつう」「やわらかめ」の表示ではありません。

 例えば、日本の歯科材料の最大手メーカー、株式会社GCの歯科専用、ルシェロ歯ブラシ。
選べる歯ブラシの毛の硬さは、「ふつう」と「やわらかめ」。
「かため」はありません。

 最近は、「かため」の歯ブラシより「やわらかめ」の歯ブラシがお勧めされる傾向があるように思いますが、その理由、一因の考察として、先日記事を書きました。
コチラの記事。
(長文なので、サクッと一言でまとめしまうと、製造物責任法(その製品を使ったことで何かがあった際、その原因が「製造者」になかったかを問われる法律)が施行され、
使用者に弊害がでないように、製造者側が細心の注意を払うようになった。
ということも理由の一つにはあるかも、みたいな記事。)

 さて、そういうわけで? 現在は、「かため」の歯ブラシが少なくなり、「やわらかめ」が押してきたな、という印象を受けているのですが、

 その「やわらかめ」の歯ブラシ。
特徴は、歯と歯ぐきの間を磨きやすいこと。

 歯ぐきの形というのは、意外に変わりやすく、磨き方などでも変化をします。
「かため」の歯ブラシを歯ぐきに当てる際には、歯科衛生士でも細心の注意を払い、
とも歯科衛生士さんも患者様の歯を磨くときは、細かく動かすというより、0㎜のストローク(毛先の位置をほとんどずらさないような動き)のような磨き方で磨きます。
(こちらの記事。 『なぜ、歯ブラシで、歯ぐきは傷つくのか? (歯ブラシの動かし方)』

その弊害に対する気遣いが、やわらかめの歯ブラシだと少なくて済む。
歯ぐきに当てても比較的安心して磨けるので、
歯周病など、どうしても歯と歯ぐきの境目の歯垢を落とさなければ治らない病気の治療、予防にむいていることも多い歯ブラシだと思います。

また、やわらかめの歯ブラシの欠点、デメリットとしては、
そのやわらかさで、歯垢が落ちにくいこと。

歯垢は、ベットリと歯に張り付き、自然にしておくと容易に取れない一面ももっているので、
それを取るのにある程度の弾力や硬さがあったほうが、取りやすいということもあります。
また、ふつうの歯ブラシの硬さで、歯にしっかり毛先があたる感覚で歯磨きをされていた患者様が、
そこからやわらかい、磨き心地の少ない歯ブラシの感覚に慣れるまで、満足されるまでの感覚を変える期間が長い。
というのも良くないところかもしれません。

 ただ、近年はそれをカバーするように高密度植毛で毛の本数を増やし、
歯垢を落とすようにこする本数を機械的に増やすことによって、
より歯垢が落ちやすくなっているような工夫がされていたり、
弊害が少ないため歯科医院でも硬めより「やわらかめ」をお勧めされることが多いように思います。
硬めの歯ブラシは、毛の持つ威力も大きく弊害をだしやすいこともありますし、
やわらかめで歯ぐきの形を変えないように、その可能性を少しでも低くすることもあります。

 それでも、「やわらかめ」がいいんだ、と素直に思いこまず、
時代が今、やわらかめを押しているかも、みたいな感じでとらえているのは、
もしかしたら、とも歯科衛生士さんがそれだけ、年齢を重ねているから、とも言えると思うのですが、
(隠しきれない、昭和の香り。(笑))
人の考える医療は変わっていきます。

昔、冷やしなさい、と言われた症状を、
今は温める。

昔、動かすな、と言われた時期に、
今はリハビリして積極的に動かす。

などということは多く聞くことですが、
常に、最新のやり方が、それまでのやり方を塗り替えていく、
それが現在の医療の形なのだと思います。

 今、やわらかめの歯ブラシは歯周病の患者様にお勧めされることが増えたと思われる注目の歯ブラシ。
とも歯科衛生士さんも通常は「ふつう」の歯ブラシをお勧めすることが多いですが、
歯ぐきが炎症を起こして傷つきやすい場合だったり、
患者様の磨き方を見て、やわらかめがいいと思ったり、
時と場合、患者様の個性によっても、その時お勧めしたいと思う歯ブラシは変わってきます。

 もし、歯科医院で「やわらかめ」の歯ブラシを勧められたときは、
ぜひその安心感で、歯と歯ぐきの間についた歯垢をよく落とし、
優しい感覚に、安心して多く歯を磨き、歯周病を予防、治療していただきたいと思います。

 

☆ オススメ記事

『スウェーデンで約8割が使用する 「TePe (テペ) 歯ブラシ」』

 

歯ブラシ、同じ「ふつう」でも硬さはマチマチ。 やっぱり選ばれる、「ふつう」。

 何かを選ぶとき、「ふつう」は魅力的な言葉だと思います。

「かため」、「ふつう」、「やわらかめ」。
よく分からない時、とりあえず「ふつう」で。

日本人だからか何か分かりませんが、この一般感、守備範囲広そうな感じに惹かれます。(笑)
エスニックジョーク(その国の国民性を表す笑い話)で、遭難しかかった船から乗客を飛び降りさせるのに、
アメリカ人は「今飛び込めば、あなたは英雄です」と言えば飛び込む。
イタリア人には「美女たちも泳いでいますよ」と言えば飛び込む。
フランス人には「決して海に飛び込まないで下さい」と言えば飛び込む。
ドイツ人は、「規則ですから」と言えば飛び込む。
日本人は…、
「みなさん飛び込んでいますよ」と言えば飛び込む。
というのがありましたが、
「やわらかめ」を買おうかと思う時も、「かため」を買おうかと思う時も、
なんとなく迷わされ、心惹かれる存在、それが「ふつう」。(一般的。(笑))

 先日「かため」の歯ブラシの記事を書いたので、今日は「ふつう」の硬さの歯ブラシについて書いてみたいと思います。
(前回記事、「かため」の歯ブラシ記事はコチラ。 ただ4000文字を越す長めの記事になってしまったので、興味のある方だけお読みください。)
(自分で書いておいてなんですが。)
(実はまだ書きたかったのですが、これくらいにしておきました。(笑))

(あまり長い文がつづくと負担なので、今日の記事は短めにします。)

 さて実は、歯ブラシの毛のかたさ「ふつう」、と言っても、メーカーによりその硬さは様々。
「ふつう」と書いてあっても、結構かたいな、と思う歯ブラシもあれば、
意外なやわらかさに驚くものもあります。

私個人的にですが、昔からある歯ブラシの「ふつう」の方が、若干「かため」の印象、
最近でてきたものは、同じ「ふつう」でも微妙にやわらかめに感じています。

 患者様の歯ぐきの状態が良く、磨き方が上手で、少し硬めの歯ブラシをお望みの場合でも、
この「ふつう」の中から硬め(歯垢を落としやすいような弾力のある硬さ)の歯ブラシをお渡しすると、
そのシッカリした弾力に患者様も満足されやすいようです。

 歯ブラシの毛のかたさを変える時に思うことですが、
「やわらかめ」を使っていた患者様が「ふつう」にすることよりも、
「ふつう」を使っていた患者様が「やわらかめ」を満足して使えるようになることの方が、抵抗があるのかなと感じています。

 「歯磨き」は、ブラシで擦って汚れを落とす、という感覚がありますし、
かきとる力はやわらかめより普通の方が強いので、
汚れ落ちは「ふつう」の方がいい、という感覚も間違いではないと思います。

 さて、そんな「ふつう」の歯ブラシ。 歯科衛生士として考えても、
実際、使い勝手はいいと思います。

とも歯科衛生士さんも「ふつう」の歯ブラシ、多くの患者様にお勧めしてきました。

歯ぐきに傷がつきやすいとか、歯ぐきの炎症が重い、とか、
やわらかめの歯ブラシの方がおススメの患者様もいらっしゃいますし、
今はやわらかめの歯ブラシがよく勧められる傾向にあると思いますが、
「ふつう」も用途広く、虫歯予防にも歯周病予防にも最適。
もちろん患者様の磨き方や、歯ぐきの状態、体質等にもよりますが、お勧めされることの多い歯ブラシだと思います。

 そんな「ふつう」の歯ブラシ。
特徴は何といっても、「弾力」。

毛のかたさ、「やわらかめ」と「ふつう」の違いは、
単に毛のかたさにあるのではなく、その毛がいかにしなるか、
しなって戻ってくる力が強いか、
というところにあると思うのですが、
その、しなってから戻ろうとする力が適度に強く、歯垢をしっかり落としつつ、歯ぐきを傷つけない強さ。
それがお勧めの「ふつう」です。

 歯科専用歯ブラシの「ふつう」には、
この適度な弾力、しなり歯垢を落としやすく、傷つけにくいものも多く揃っているので、
口の中に異常がなく、かかりつけの歯科衛生士さんに「ふつう」の歯ブラシをお勧めされた際には、
ぜひ、「ふつう」の歯ブラシの弾力を感じて、新しい発見。
楽しんで歯磨きをしていただきたいと思います。

 

☆ おすすめ記事

● 『 なぜ、歯ブラシで、歯ぐきは傷つくのか? (歯ブラシの動かし方)』

 

歯ブラシの硬さはどれを使ったらいいのか? 「かため」の歯ブラシの考察。 メリットとデメリット。 かための歯ブラシは、プロ仕様。 (長文)

 歯ブラシ選びでは、その硬さで迷う方もいらっしゃるようです。

歯ブラシと言えば、「かため」「ふつう」「やわらかめ」の3種類から選ぶ。

それが当然のような時代を知っていらっしゃるかどうかは分からないのですが、
今は、硬めの歯ブラシの選択肢がはずされて、「ふつう」と「やわらかめ」から選んだりすることもあります。

 さて、そんな歯ブラシの一種類、「かため」は、昔と比べると少なくなったと思います。

 今日はその考察。
最近硬めの歯ブラシが推奨されにくく感じる理由。

 歯科衛生士の一般的な答えで言ってしまうと、それは、「かため」の歯ブラシは、磨いたときに力が入りやすく、歯ぐきがすり減ったり、歯が摩耗したり等々の弊害をおこしやすいから。

 以上。 終了。

 と言われることが多い気がするのですが、今日はもう少し書いてみたいと思います。

 1995年、日本で、PL法(製造物責任法)という法律が施行されました。
これは、「製造した側」の責任はなかったか?
と問うもので、
この法律が先に施行されたアメリカでは、
飛行機事故のあった際、(個人のセスナなど)乗っていた本人の操作ミスがあっても、
100%飛行機製造会社が訴えられる、
というような事態を招きます。

 それまでの日本には、戦前戦中の教育の影響を感じさせる、どちらかというと、
「自分に起こることは全て自分の責任。」
「人のせいにはするな。」
「言い訳はしない。」
というような美徳感があり、その商品を使った「本人」の責任や過失がなかったか、と、問うような風潮が強く、(いかにも「昭和」、というイメージですが)
商品を使って事故等があった時、ほとんど「使い方を間違った」、「消費者の不注意」という感覚が多かったところに、
「商品を作った会社の責任を問う」という、当時ある意味、新しい感覚が入ってきて、

『アメリカで、マクドナルドのコーヒーを飲んだ際、膝にこぼしてやけどを負った年輩の女性が、
「やけどをしたのは、マクドナルドの売ったコーヒーが熱すぎたから」としてマクドナルド社を訴え、
マクドナルド社に64万ドルの賠償金支払いを命じる判決が下った。』
 その根拠となった法律(PL法)その考え方が日本にもくる、と大きな話題になりました。
(ある年齢以上は知っている。(笑))

ただ、マクドナルドコーヒーでやけどを負った女性は現実にやけどの治療費もあり、ケガの程度も軽くなかったようで、報道であおられた部分もあるのかもしれず、この判決自体とPL法のイメージを合わせるのは実際には是非のある問題だったかもしれないのですが、
とにかく当時はそういうイメージでとらえられていて、
そのPL法が日本で施行されることになり、
今のようにリコール、製品に欠陥があったので回収する、ということが一般的でなかった当時、
これから作った製品の責任を大きく問われることになる大手家電メーカーなど製造業の企業が、戦々恐々としていたのですが、
この法律の施行によって、
それまで、日本人のなかに無意識の美徳のようにあった、
「起こることは全て自分の責任」、「人を責めるのではなく、まず、自分を正せ」というような感覚が、
徐々に、「作った側の責任」を問うのが多数派、
という雰囲気に変わってきたように思います。

ここら辺は、けっこう極端、というか、
感覚とは、時代により本当に変わってくるものだという気がするのですが、
戦前、戦中、戦後しばらく、学校で先生に叩かれたら、それは100%、生徒が悪い、
という雰囲気が、戦後から現在に至る長い時を経て、真逆になったように、
今は、「作るときには、その事故は想定できなかったのか、考えられなかったか」ということが、
「使う時に注意して使えなかったか」ということよりも大きく問われるように感じます。

(とも歯科衛生士さん、いったい、いつくなんだ? という話ですが、(笑)
そこまで年輩でもありません。(笑))

 この「製造者側の責任」が問われる、という考え方が、結果的に事故を大きく減らすことになるので、その意味は大きくあると思うのですが、
現実にはさらに各個人が、「気をつけて使う」ことで、事故や災難を未然に防ぐことになります。

 さて、硬めの歯ブラシの話に戻りますが、
硬めの歯ブラシが市場から減っていった時期と、この考え方の広がりは、重なっているようにも思います。

今、歯ブラシのパッケージに、「歯科医師、歯科衛生士の指導の元につかいましょう」というような注意書きがあるのを見かけます。

マクドナルド社のコーヒーにも、今は「熱い」ので注意してください、てきな注意書きがあるそうですが、
製造者側が、製品を受け取った人に危険がないように注意喚起をうながすという意味で同様につけられているかと思います。

歯ブラシは作ったら終わり、ではなく、
その後、それを使った人に弊害がでないように、
細心の注意が払われ、
弊害を出さないでほしいという雰囲気を感じます。

ただ、そこから徐々に、軟らかめ、超軟らかめの歯ブラシが、多く売り出され、
弊害のでやすい硬めの歯ブラシは、あまりお勧めされない風潮がでてきたように思います。

 

 海外の歯ブラシでも、硬めがなく、普通より軟らかめのタイプしか作られていない歯ブラシがあるので、やはり硬めは、力が入りやすく、気をつけて磨かなければいけない歯ブラシという認識が強くあるように思います。

ちなみに、スウェーデン国民の約8割が使っている「テぺ歯ブラシ」の硬さは3種類あるのですが、その表示は「普通、やわらかめ、超やわらかめ」。
「かため、普通、やわらかめ」ではありません。

「かため、普通、やわらかめ」という表示は、けっこう主観的なもののようで、
同じ「ふつう」でも、メーカーによって硬さはマチマチ。
なので、3種類だすなら、「普通、やわらかめ、超やわらかめ」、としなくても、
「かため、普通、やわらかめ」でいいのではないかという気もするのですが、
実際、テぺの歯ブラシ。
「普通」の硬さの歯ブラシでも結構やわらかいと感じます。

 今の流れ、主流としては、硬めの歯ブラシをさけ、
やわらかめをお勧めする、というところなのかもしれません。

 さて、たしかに硬めの歯ブラシは、軟らかめの歯ブラシよりも弊害が起きやすく、
患者様にお勧めするのにはリスクがあります。

 ただ、では、歯科衛生士が硬めの歯ブラシを使うと、同じように弊害を起こしてしまうのか?

と言われると、
 実は、歯科衛生士が硬めの歯ブラシを使っても、
それで即、弊害をおこしてしまう方は少ないように思います。

これ、実験したわけでも、なんでもないので、全員そうですとは言い切れませんが、
硬めの歯ブラシで磨いても、
歯の磨き方や、どこにどんな当て方をすればどうなるかを理解している歯科衛生士であれば、
ほとんど弊害なく使いこなせることが多い。
(使いこなせない方が少数派。 多分。)

よっぽど針金のように剛毛、とか、
ナイフみたいに尖って触るものみな傷つけた、てきなものでない限り、
ただ「硬めの歯ブラシ」程度の硬さで歯科衛生士まで全員弊害を起こすぐらいなら、そもそも発売自体されない商品という感じです。
(ただ本当に硬すぎる歯ブラシは、お勧めしません。)

ここら辺は、全く個人の感想というところなのですが、
歯磨きの専門家で、弊害がどういうものか知っていて、弊害なく使いこなせる歯科衛生士の私にとって、
若干硬めの歯ブラシは、ある意味、時短で要領よく磨ける歯ブラシ。

ただ私も、「かため」表示のものはほとんど使わず、
「ふつう」表示の中で、硬めに感じる歯ブラシを使っています。

やわらかめばかりが勧められる印象ですが、それよりも少し硬めであっても、
磨き方さえ良ければ効果的に有用に使えるのではないか、と思います。

よく力を入れて磨いた場合と、力を抜いた(正しい圧で)磨いた場合の歯垢除去は、
正しい圧の方が隅々にまで的確に当たって大きくなるので、混同しやすいのですが、
それとは違い、
硬めの歯ブラシと軟らかめの歯ブラシで、同じ一かきした時の歯垢除去率は、
硬めの歯ブラシの方が大きいことが多いように思います。

これ、いろいろな歯ブラシがあり、全てで当てはまるわけではないので、言い切れませんが、
常識で考えて、硬めのブラシと、超柔らかめのブラシでは、
汚れ落ちはやはり違い、
ただ、それによって傷がついたり、という欠点がある、という感じかもしれません。

硬めと軟らかめのブラシを同じように使ってみると、
軟らかめの歯ブラシではなかなか汚れが落ちにくいので、
今は、それをカバーするように、高密度植毛などがあり、
機械的に擦る本数を増やすことによって、
より汚れ落ちがしやすいというような工夫がされていると思います。

 歯科医師、歯科衛生士に直接指導を受け、弊害のないように使いこなせる方にとっては、
少し硬めの歯ブラシでも、メリットのある歯ブラシであるといえると思います。

 最近、ベストハイジニスト賞を受賞された歯科衛生士さんのブラッシング指導を見せていただく機会があったのですが、
患者様の歯ぐきの炎症が、ブラッシング指導で徐々に軽減されていき、
何度目かのブラッシング指導で、患者様の歯ぐきの炎症が引いて、ある程度硬さのある歯ブラシでも使いこなせる患者様だと判断した段階で、歯ブラシの硬さを、少しずつ硬さのあるものに上げていき、
(「かため」という表示ではなく、各メーカー織り交ぜながら実際毛のやわらいかいものから、歯ぐきの状態に合わせて、少し硬さのある物にしていく感じ)
バトラー211(「ふつう」表示ですが、テぺ歯ブラシなどと比べると、同じ「ふつう」でも硬めに感じる歯ブラシ)と、プロスペックを差し出して、患者様に選ばせる形でお勧めされていて、
歯ぐきの状態と、患者様の実力(毛の硬さがある程度あっても弊害なく使いこなせる患者様かどうか)によって使い分け、その患者様の歯ぐきの状態がよりベストな状態になるように持っていくブラッシング指導の様子が、とても勉強になりました。

 私も「かため」表示のものを勧めることはほとんどなく、「ふつう」表示のなかで弾力のあるものをお勧めする感じですが、
硬さ(弾力)のある歯ブラシをひたすら避け、軟らかめのものばかりお勧めすることは少ない印象です。
 ここら辺は患者様の歯ぐきの状態と磨き方によるところですが、
硬めの歯ブラシは、毛自体がもつ威力が大きく、
使い方を間違うとそれが弊害となって、患者様の口腔内に現れます。
また、歯科衛生士が「かため」の歯ブラシをお勧めすると、
「時と場合に応じて勧められた」ということが理解されず、硬めの歯ブラシを安易に使ってしまう可能性があるので、歯科衛生士としてはなかなかお勧めしにくい硬さともいえると思います。
 若干硬めの歯ブラシは、使い方を誤ると弊害が出やすくなってしまうというリスクもありますが、
上手に使いこなせば、短時間で多くの歯垢をとり、歯ぐきのマッサージもできるというよい面もあります。
 間違った使い方をすると歯ぐきが減りやすいなど弊害が出やすいので私としても、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士さんからお勧めされた場合につかいましょう、という教科書のような注意書きを添えたいと思いますが、
歯科衛生士さんの指導のもとに使いこなしてみると、気持ちよく磨ける歯ブラシだと思います。

 

☆ おすすめ記事

● 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

● 『なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか?』

「フロスちゃん」 子供用のフロスで、歯と歯の間から発生する虫歯を防ぐ。

 

 子供の虫歯は、歯と歯の間から多く発生します。

そして、ここから虫歯の穴があく。

一見キレイな乳歯ですが、

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 歯の側面。 歯と歯の間の部分から見ると、虫歯が発生。 
大きな穴になっています。
(抜けてから保管している間に、虫歯の周りの歯の部分がかけてしまいましたが、
口の中にあるときは、一見、虫歯のないキレイな形の歯。 外見からは見えにくい歯と歯の間の接触点から穴が開いていました。)

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 ちなみにもう片方の反対側の側面は虫歯もなく、キレイでした。
 ↓

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 さて、この歯と歯の間にある虫歯菌(歯垢)。
これを落とし、そこからの虫歯を防ぐように磨ける、子供用のアイテム。
「フロスちゃん」。

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かわいい名前なのでもう一度。

「フロスちゃん」。

(「ちゃん」つけただけのような気も…。(笑))

 正確には、「子供用 Flossちゃん」

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 以前の記事、『なぜ、「磨いているつもりで、磨けていない」のか? 実は歯磨きに最適?! というほどでもない歯ブラシ。』にも書きましたが、
結局、歯ブラシで汚れを落とせる部分は限定的。
歯と歯の間には、(人が歯垢を落としづらい、掃除しにくいなどという事情はおかまいなしに)遠慮なく、歯垢(菌)がたまります。

そして、磨かれない期間が長くなるほど、菌の無法地帯のようになって、
たまにフロスをかけると、奥の方からとれた汚れがすごい臭いを発していたりする。

歯磨き自体をイヤイヤしている状態で、歯間までは厳しいかもしれないのですが、
磨いても痛くないこと、安心して磨かれて大丈夫なことを体感させ、
歯と歯の間の歯垢を落とすことは、虫歯予防に効果があり、フロスちゃんは歯と歯の間の歯垢が、よくとれます。

 

 さて、このフロスちゃん、ポイントは柄についたクマ、
と、思いきや、
実は、ココ。

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 この長さが、子供サイズ。
(ピンクのマーキング)

 これが大人には小さくて使いづらいわけですが、
子どもにはジャストサイズ。

 

 フロスの糸自体は大人と同じでも構わないような気がするのですが、
この幅が、大きいと口に入りづらいので、
子供用を使う意味は大きいと思います。

 ちなみに、お子さんには「ワンタフトブラシ」もおススメ。
こちらは、大人用と同じブラシの大きさで構わないと思うので、ぜひ、併用して使われてください。
(こちらの記事。 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』

 

 歯ブラシだけで歯垢を落とすように乳歯を磨くのは、意外にも至難の業。

子どもの虫歯は、歯と歯の間や歯の溝から多く発生します。

ぜひ、そこを意識されて隙間や溝を磨くように、
フロスやワンタフトブラシを使って磨かれてください。

 歯磨きと言えば、歯ブラシだけ、という方も最近はだいぶ減ってきました。

 大人になるとかかりやすい歯周病での抜歯を、それほど気にしなくてもいい年齢の子どもたちにも、虫歯はあります。

歯と歯の間を磨くアイテムやワンタフトブラシなどを使って、
病気にかかってしまう前に、未然に防ぐ。

よい健康習慣で幸せに過ごしていただけたら、と思います。