ワンタフトブラシ ミクリン 「Ciメディカル ミクリン MICLIN ワンタフト」 特徴 使用所感 。

 先日、『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避するブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』、で書いた歯磨き法。

 最初にワンタフトブラシを2分、その後、歯間ブラシやフロス、
そして歯ブラシをかける。

 日本でこれからさらに注目されそうな予感もする磨き方ですが、
(とも歯科衛生士さんの、勝手な予想。)
(ときどき、はずれる。(笑))
誰でも比較的簡単に、歯と歯ぐきの境目の歯垢が落とせる磨き方で、
歯周病予防の歯磨きがなかなか実践できなかった方にはいいのではないか、と思います。

 さて、そこで今日は、このワンタフトブラシ。
「Ciメディカル ミクリン MICLIN ワンタフト」(以下、「ミクリン」)の使用所感を書いてみたいと思います。

ワンタフトブラシは様々なメーカーが出していて、患者様の口の中、磨き方によって使い分けますが、ミクリンもその一つ。 歯科専用のおすすめワンタフトブラシです。

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硬さは、S(ソフト、やわらかめ)とM(ミディアム、ふつう)の二種類があり、両方買ってみました。

 袋の下の方に「M」と、「S」が表示されています。

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袋から出すと、「M」も「S」も同じ形状。 触ると毛のやわらかさは違いますが、
今のところブラシの本体に、文字は全く印字されていないので、袋から出すと見た目ではMかSか分からなくなります。

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持ち手(グリップ部分)は全てプラスチックですが、
横に凹みを作って滑りにくくしている工夫があります。

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 歯科医院専用のワンタフトブラシは、他のメーカーのものも使ってみると、それぞれ特徴があるのですが、

ミクリンワンタフトブラシの分かりやすい特徴は、ヘッドが小さく太めの毛束。
毛束の先端部分の△の角度が微妙に鋭角的で一辺が長めの三角になっています。

 小さめヘッド(タフトブラシの頭部)で、太めの毛束。

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毛束の先端の角度が少し鋭角なので、

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太い毛束の幅で山切りにすると、
斜面の一辺の長さが長くなる。(青い線)

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 実は、ワンタフトブラシは、どの角度から歯に当てても、
毛先の断面が歯に直接当たりやすい、という優れものの構造なのですが、
(毛先の断面が真っ直ぐ歯に当たると、歯垢が取れやすい、という参考写真記事。 『なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか?』

 ワンタフトブラシの一辺の長さが長くなっていることにより、
より広い歯面に、毛先の断面が当たり、一度に多くの歯垢が取れやすい構造になっていると思います。

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 毛束先端の△部。 ブラシ先端の△の部分が、鋭角的で細いことで狭い奥にも入りやすい。
 また、△部の「一辺の長さ」が長くなっているので、
より広い歯面に毛先断面が当たる。

 角度を変えてワンタフトブラシを歯に当てても、毛先断面が直接歯に当たるという優れものの構造になっているので、
上の写真でもワンタフトブラシに当たっている左右の歯とも、ワンタフトブラシの毛先の断面が歯に当たって磨かれる形、になっています。

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 後ろから当てても、やはり歯面には「毛先の断面」が当たります。

 ワンタフトブラシは小さいので、小回りをきかせて磨く度に、
意識して毛先を歯に直角に当てよう、などとすると大変な手間ですが、

これが無意識でどの角度から当てても、毛先の断面がほぼ直角に当たってしまう、というのは、すごい設計だなと思います。
(図形が苦手な、とも歯科衛生士。
こんな設計考えつくってスゴいと思う。(笑))

磨いてみると、本当にどこから当てても、直角に当たっているような感じに、
「おぉ!」
と思います。
(この感覚、いつまでも新鮮。(笑)
自分の考えつかないことを考えつく方を素直に尊敬。)

 S(やわらかめ)はソフトな感じで無難に磨けます。
使い心地に慣れられるか、という問題はありますが、歯科衛生士にとっては患者様にお勧めしやすいブラシになるかも知れません。
 歯ぐきに炎症のある方や、インプラントを使用している方にも向いていますが、歯周病に気をつけた方がよい年齢40歳ぐらいからの口の中では、向いていることも多いと感じる柔らかさです。
 歯ぐきのすり減りや、形状の変化が気になる方、力を入れぎみな方は、やわらかめを使った方がいいかもしれません。

 M(ふつう)は、当然ですがS(やわらかめ)より硬さがあり、磨き心地もしっかりして歯垢が取りやすく、キレイになる満足感があります。
歯垢もS(やわらかめ)より落としやすいのですが、硬い分、力加減ができなかった場合など弊害も出やすくなるので注意が要ります。
 毛束の先端が比較的鋭角なので、先の尖ったところを歯ぐきに向けて強めに押すと痛い感じはします。
先端はあまり歯ぐきには向けずに磨き、
歯の溝を磨くときや、歯と歯の間の清掃に、この毛先を活かして磨く方法が向いていると思います。

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 歯が生え替わりで生えている途中だったり、歯並びに凸凹があったり、歯ぐきが炎症で増殖傾向の方など、毛先の力加減に気をつけて磨くことの出来る若い方などには、M(ふつう)のほうが向いている場合もよくあるので、
ここらへんは、歯科衛生士さんの指示に従って選んで頂きたいと思います。

 ワンタフトブラシは磨ける範囲が小さいため、どうしても慣れるまで、
ちまちまとした印象なのですが、
ミクリンワンタフトブラシは、歯科専用のワンタフトブラシの中では、比較的磨ける範囲が広くて、慣れやすいかも知れません。

時間が経っても、毛先が広がりにくく、優秀なワンタフトブラシという印象です。

 ちなみに、数週間使った毛先と比べてみるとこんな感じ。

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 右側はミクリンのS(ソフト、やわらかめ)の数週間使用後の毛先です。
だいたい1ヶ月くらい経過かな~くらいの頃。
(ちょっとうろ覚え。(笑))
左側の新品の毛先に比べて、やはり消耗が見られます。

これは、あまり力を入れない圧で磨いている場合ですが、
力を入れて磨く習慣があると、もっと毛は広がり、短い期間で歯垢が落ちにくい毛先になります。

ただ、毛先がさほど広がらなくても、比べてみると分かるようにブラシの毛先は消耗してきます。

これで歯面に当てると、

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先細りになった毛先の当たりが弱くフワッとして、歯垢は格段に取れにくくなります。

新品の物で同じ部位を磨くと、

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毛先がしっかりと真っ直ぐに当たり、歯垢が取れる感じ。
やはり、ワンタフトブラシも1ヶ月位では取り替えた方がいいようです。

 

 そんなミクリンタフトブラシ。
色はピンク、黄色、グリーン、ブルー、シルバーの5色で、原色ではなくパステル系。

 見かけも可愛いし、そもそも「ミクリン」という名前が可愛い。(笑)
ネーミングが可愛いという歯科専用ブラシは、それほど一般的ではない気がします。

ただ、ワンタフトブラシとしては毛束も太く、細い先端から徐々に広がった幅のある作りで、使ってみると女性ばかりでなく男性にもピッタリ。

 ワンタフトブラシは、その構造、用途から、歯ブラシの届かないところに毛先が入り込み、多くの歯垢を取ることのできる歯磨きグッズ。
今後さらに注目され、使うことがスタンダードにちかくなるのではないかと期待しています。
(ワンタフトブラシが細かく歯の入り組んだところにも入り込み、歯ブラシの届かないところが磨ける、ということを説明したコチラの記事。 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』)

 男性にも女性にも子供にも、お勧めなので、一度試して気に入れば、家族みんなが色違いでお使いになるブラシになると思います。

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