若干「かため」な感じ、バトラー#211

前々々回記事より、
● 歯ブラシ、「やわらかめ」「普通」「かため」は、どれを選べばよいでしょうか
● 「やわらかめ」 のテペ歯ブラシ
● 「ふつう」 の毛のかたさ、ルシェロ歯ブラシ

と書いてきたら、次回は 『「かため」 の歯ブラシ』 だろう、と期待の集まるところなので、
今回は 若干「かため」の歯ブラシ について書いてみたいと思います。(笑)

 さて、「かため」の歯ブラシを使うときには、いろいろ制約が入ります。

若干「かため」の『若干』って何? という感じですが(笑)
「かため」といっても、「ひたすら剛毛」というようなものは、歯ぐきや歯を傷つけるのでNG。
硬い分、傷つけやすいということにもなるので、硬い毛であればあるほど、弊害(傷、歯ぐきのすり減り等)がでないようにに気を付けて磨かなくてはいけません。

歯ブラシと歯磨き剤との相性の観点からいうと、硬めの歯ブラシは、歯磨き粉をつけないで磨くのがいいと思います。

まず、弾力がある、そして、毛先を丸く加工されているなど、
なるべく歯ぐきや歯の弊害がでにくいものを選択していくことが大切かと思います。

ただ、弊害さえ回避して磨くことが出来れば、ある程度の硬さがあり、弾力のある歯ブラシのほうが歯垢自体は取れやすく、短時間で効果的にブラッシングできるので、
プロや歯磨きの上級者など弊害なく使えてしまう実力がある場合、使い慣れると手放せなくなる一面もあります。

ここらへんが、自分達が使えても必ずしも全ての患者様にお勧めできるというわけではない、というところで、
歯科医院などでも「かため」がお勧めされることは少なくなっているようです。

「かため」というと、分かりづらいのですが、
「弾力のある歯ブラシ」というと、ベッタリ貼り付いてヌルついている歯垢の細菌群が取れやすい感じが伝わるかも知れません。
この「弾力」を出すために、ある程度の硬さが必要になる、という感じかと思います。

 以前記事に書いたのですが、弊害である傷やすり減りは、直接触れた毛先が、そこから移動する(引きずられる)ときに付きやすくなります。
(こちらの記事。『なぜ、歯ブラシで、歯ぐきは傷つくのか? (歯ブラシの動かし方)』

これを回避するには、よくしなる弾力のある歯ブラシを選ぶことと、とにかく当たったときの力加減を圧がほどんどかかっていないぐらいに調節すること、やわらかく当てた毛先を移動させない(引きずらない)ということが大切になると思います。

毛が歯や歯ぐきに当たったときの力を「ただ当たっているだけ」(2ヶ月くらい使用しても歯ブラシの毛先が開くことがないぐらいの圧)で、歯ブラシの毛先を移動させず、振動させるように動かすのがいいかもしれません。

毛先は「かため」で弾力があり、良質の材料できちんと作られている歯ブラシなら、「普通」の硬さのものより開きにくくなるので、
「ふつう」の歯ブラシで1ヶ月で毛先が開いてくる場合は、もっともっと長い期間、開かないぐらいが正解だと思います。

 さて、「かため」の歯ブラシで患者様にお勧めのものというと、
前述の通り弊害が出やすいという理由から、なかなか書けないところなので、
今日は私の使っている歯ブラシの中で、毛に弾力やコシがあり、歯垢が落ちやすくて、他の歯ブラシより若干硬めに感じている個人的に使いやすいと思う歯ブラシを載せてみたいと思います。

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 サンスター株式会社からでている「バトラー#211」。
私の使用所感記事はコチラ 『世界の名品。 「バトラー#211」(歯科用)』

 この歯ブラシは、毛の硬さ表示としては「ふつう」なのですが、
前回お知らせした、「ルシェロ歯ブラシ」や前々回お知らせした「テペ歯ブラシ」のふつうよりも、弾力(硬さ)があり、歯垢が落としやすいと思います。
同じ「ふつう」表示でも、メーカーによって硬さは異なる感じなのですが、スッキリ歯垢が落ちた感じが味わえます。

フラット(平ら)な歯ブラシで、しっかりしている分、「歯磨き粉を付けて大きく横磨き」など間違った使い方はできないのですが、弊害がないように力を抜いて当て、毛先を移動させずに振動させるような磨き方を歯科衛生士さんの指導の元に実践すると、歯ブラシだけでもかなり歯垢が取れ、やわらかめの歯ブラシより短時間ですっきりとした感じがします。
(個人の症状等によりブラッシング方法は違いますが、それぞれ合ったブラッシング方法と歯ブラシをブラッシング指導で教えてもらえます。)

 お口の中の状況は、お一人お一人違うので、多数の方が読むサイト上で読者の方に「これがあなたにピッタリ!」と申し上げることはできないのですが、
多くの歯科医院では直接それを教えてもらえるので(「ブラッシング指導を受けたい」と希望すると多くの所で教えてもらえます)、ぜひ聞かれてみて下さい。

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