新卒時代のブラッシング指導

 毎日、ブラッシング指導に入っていた新卒時代、
私は患者様に、「歯周病予防に歯磨きは大切」ということをお伝えしようとしていました。

一点集中、猪突猛進、
ただ一所懸命な、

だけ。(笑)

 その場でおこっていることの五分の一も、見えていたかどうか…、
(本当に申し訳ない。)
ま、今もあまり変わりはないのですが、(笑)
とりあえず、自分はよく分かっていないんだ、ということは、分かるようになりました。(笑)

 さて、そんな私が、患者様から教えて頂いたエピソード。

 その患者様のブラッシング指導に入るのは、二回目で、前回染め出しをして歯垢の付いている場所を確認して頂き、一緒に歯ブラシの動かし方を練習してお伝えしたのですが、
今回の口の中にも、沢山の歯垢が残っていました。

前回、磨き方をお伝えしたのにもかかわらず、あまり磨けていないと感じた私は、
歯垢が残っていることや、これが歯周病の原因になること、ブラッシングの大切さをまた、お伝えしました。

ただ、後から受付さんから、
「言われたとおり磨いているつもりなんだけど、磨けていないって言われたんだよね~。」と、おっしゃっていたと聞いたのです。

 患者様が「磨いているけど、磨けていない」のではない。
私が磨き方を「お伝えしたつもりだけど、伝えられていない」のだ、と教えて頂いた瞬間です。

 歯磨きが大切、ということも、
患者様はもう、分かっていたんです。

だから多くの患者様は、毎日歯を磨く。

毎日歯を磨いているのに、磨けていないと言われる。

 これでは歯磨きをしようというモチベーションも下がり、
丁寧に磨かなくなって、当たり前。

 歯を磨かない患者様は、まず、「なぜ磨かないのか」を把握し、次の手を衛生士自身が考える。

自分がお伝えした「つもり」のことが、きちんと患者様に伝わっているのか、
なぜ、どこが引っかかって問題が起こっているのか、をしっかり考える。

何事も相手のせいにしては、その先はありません。

本当に何も分かっていない衛生士だったな私って、
というところですが、

以来、「ブラッシングは大切です」とか、「磨けていないですね」、と一言で軽くいうのは控えるようになり、
その患者様が、なぜ、磨けていないのか、
どうすれば患者様が本当に磨けるようになるのか、
まず私自身が考え、把握することが大切だと思うようになりました。

さ、
そんな申し訳ない過去の反省から、ブラッシング指導は、
あれもこれもをその場で言っても相手には伝わらない。
ポイントを絞って伝えるべき、と学んだ私。
(多少、学習機能付き。(笑))

今日の記事は、そんなポイントを一つ、お伝えして終わります。

 ブラッシング、最大の肝は、「当て方」です。

細かく言っていけば色々あるブラッシングですが、
歯周病予防、とりあえず、「当てること」ができれば、なんとかなります。
(というか、ここを始めなくては、先がありません。)

これをまず、マスターしてください。

「バス法」は、歯と歯ぐきの境目のところに、歯ブラシを45度の角度であてます。
P1030517
このような感じです。

 慣れないと、最初からこのような角度で当てにくいので、
まず、歯の横に歯ブラシを置き、
P1030516

そこから毛先を滑らせて、角度をつけると、

P1030517

45度の角度で当てやすいかと思います。

まずは、これをマスターするところから。

これができたら、後は毛先を移動させずに、力を抜いて揺らすだけです。

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