インプラントの注意点の一つ。 インプラントもブラッシングが大切です。

 インプラントは、失った歯の代わりとして、顎の骨に金属を埋め込み、それを支柱として人工の歯を入れることができる補綴物です。

「埋め込むってどうするの?」 というところですが、

チタン合金を骨に植えると、何と、骨と金属が結合!

異物は生体から排除される、という現象がほとんどなのですが、
金属のチタンは、なぜか排除されず結合していきます。

 1950年代スウェーデンのブローネマルク医師がこの発見をされ、
長い年月研究と実験を重ねて人に使える技術とし、インプラントは今広く普及して、
義歯など他、多用途の医療に使われているそうです。

 実はとも歯科衛生士さんが歯科衛生士になったのは、このブローネマルク医師のインプラントがまだそれほど一般的ではなかった頃。
当時最先端治療だったインプラント、しっかりオペ室を完備して施術する歯科医院を見せていただき、
先生がインプラントのレントゲン写真で、
「このチタンは、骨と結合するんだよ」と御説明下さったのが、
つい先日のことのようですが、
それから長~い年月が経ちました。(笑)

(光陰矢のごとし。 中年、あるある。(笑))

 さて現在、「インプラント」というと、一般の方でも多くのかたが人工の歯をイメージするほど、歯科で身近になったインプラントですが、

デメリットとしては、外科的処置が必要、金額が高額、手術等100%上手くいく保障はない、清掃など定期的にみてもらうメインテナンスが必要、等々。

このデメリットを全てクリアして上手くいくと、

メリットはやはり、一度失ってしまった歯の「自然に食物を噛む感覚」を、もう一度取り戻すことができる、という、夢のような機能回復を果たすことが期待できる、ということが大きいと思います。

顎の骨の量や個人の体質など、本人の意思とは別に、全員が適応できるわけではないので、詳しい検査がいります。

 さて、歯科衛生士として、インプラントをみた場合、
やはり一番気になるのは、清掃のことです。

 一度歯を失った方が、インプラントを入れ、再び歯と同じように噛める生活を取り戻したことは大きな喜びかと思いますが、
インプラントも歯と同じように、プラークが付いていることが原因で、歯周病と同じような病気にかかります。

 汚れを放置すると、歯が歯周病にかかるときと同じように、歯槽骨が溶け、抜かなければならない状況になってしまうことがある、ということです。

一度、歯周病で歯を失い、インプラントを入れ、
また、歯周病の症状でインプラントを失った、ということにならないために、

インプラントも、ブラッシングが大切です。

 入れ歯を入れなくても、一度失った歯を取り戻すように、
顎の骨に支柱を埋め込み、歯と同じように噛める物が出来たということは、

天然歯を歯周病で失うのと同じように、
インプラントも歯周病のような症状で失うことがあることを意識して、歯磨きをする必要があると思います。

 健康な口の中を保つためには、どこまでもブラッシングが重要なのですが、歯垢がいかにキレイに落とされているかは、とても大切です。
歯磨きは、天然歯を失って人工の歯になっても、歯周病にならないために必要ですので、
ブラッシングの習慣のつかない方には、インプラントは向かないそうです。

インプラントを入れる際には、歯科衛生士さんがきちんとブラッシング指導をしてくださるところで入れて、担当の歯科衛生士さんの指示通りに磨くこと、
インプラントも入れた後のメインテナンス、定期的に歯科医院に通院することが大切だと思います。

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