3,②虫歯予防の話 「食物」

虫歯予防の話②
『2,   酸性の物、糖質のものなどの摂取の仕方に気を付ける。』

 歯は「酸」に溶けるという性質を持っています。

甘い炭酸飲料も、100%オレンジジュースなどの果汁も、歯を漬けておくと、柔らかく溶かしてしまいます。

 また「酸」ではないと思っても、「糖」は、口の中の虫歯菌が取り込んで代謝し、数分のうちに、「酸」を出すので、やはり虫歯になりやすい。

この「酸性」の時間をいかに短くするか、が、虫歯予防のカギとなります。

 ですので、虫歯予防法として食べ方を知る効果は大きいと思います。
口の中を酸性にする要因は、吐く(胃液ph2)などの体調の他、だいたいが食べ物にあるからです。

 まず口の中のphは何も食べない通常6.7位の中性。
この数字が小さくなればなるほど酸性が強いということになりますが、
歯の脱灰ライン(歯が溶け始める虫歯の始まりのライン)はph5.5だと言われていますので、
つまり、口の中のphをなるべく5.5より下にならないように意識する、これが大事です。
(でも、ほぼ不可能。(笑) 日本の普通の?食生活では難しいので、なるべく口の中の酸性を短時間にするようにします。)

ではまずリスクを知るところから、

 虫歯になるリスクが高いと言われているのが、甘い炭酸飲料(ph2)など酸性の飲み物。
食酢(ph3)も、健康管理のために飲む方も多いのですが、虫歯になる要因としては、大変危険です。
その他100%果汁ジュースやスポーツドリンク(共にph3.5)。

まずはここらへんの危険度を認識することから始めて下さい。

 飲んでも虫歯にならないことがある、と思うかも知れませんが、

このように酸性に傾いている物は、
要因が重なると、ストレートで虫歯に罹ります。

この虫歯になる要因をいかに重ねないようにするか、が虫歯予防の大切なところだと思います。
一つの要因で虫歯にならないことが続いても、重なってしまうと、虫歯になる。

毎日生活をする上で、うっかり重なってしまう日もあるわけで、結果、国民の9割が虫歯に罹ったことがある、という罹患率となるように思います。

 完全に飲まないということは難しいと思いますが、
少なくても、飲み終わった後は、
自分の口の中がかなり虫歯になりやすい、酸性に傾いている状態になっているということを認識することが大切で、
「続けてキャラメル食べよ♪」
は、やめておいた方が無難です(笑)。

 さて、酸性に傾いた口の中ですが、時間が経つと唾液(弱アルカリ性)が中和して中性に戻ってきます。同時に溶けかけた歯の表面も唾液中のカルシウム等が再石灰化し自然修復してくれると言われています。
 おかげで、酸性の物を飲むたびに、いつも虫歯になる、というような事態からは免れている訳ですが、
この酸性から中性に戻ってくるまでの時間が、その方の唾液の量や唾液の性質、体調、時間帯、酸性の傾き具合によって変わってきます。なので一概には言えないのですが、とりあえず目安を40分位とみて、食べてから次に食べるまでの間に、それ位の時間を空けることで、しっかり中性に戻し、
酸性から中性に戻る途中の、まだ酸性に傾いている途中の状態のまま、
また次の食品を口に入れて、さらにまた酸性に傾かせることの無いように気を付けることが効果的だそうです。

 酸性に傾いた口の中をいかに早く、中性に戻すかを考え、
食べ終わったらまずうがい。(酸性飲料を洗い流す。)
個人的には、重曹水(弱アルカリ性)でうがいして、なるべく早く中和するのがいいと思います。
(重曹水の作り方は500mlのペットボトルに水を入れ、重曹3g(小さじ一杯)を溶かします。詳しくはコチラの記事。『虫歯予防に「重曹うがい」』

 うがいしない皆様も、この酸性時間を長くすると、虫歯になるリスクが大きく高まると言われていますので、なるべく短時間で飲み終わり、だらだら飲みはさけましょう。

 睡眠時は唾液の量が減り、虫歯になりやすくなるので、寝る前の飲食は危険だと言われていますが、日中でも唾液の量が増えると、それだけ自浄作用が働くので、唾液を多く出すというのも良いかと思います。
(もし寝る前に食べてしまったときには、うがい、水を一杯飲む、ということで少しでも(通常よりは)早く中性に戻すことができるというデーターを見たことがあります。)

唾液(弱アルカリ性)を多く出すように、リラックスし、耳たぶの後ろにある耳下腺をマッサージしてみるとか、舌を左右、上下や回すようにグルグル動かしてみるとか、梅干しを思い浮かべてみるとか、歯科用キシリトールのガムを噛むとか。
 とにかく中性に戻すため、自分に合った方法を実践してみるのもよいかと思います。

結局、虫歯予防は複数の方法を組み合わせ、
歯垢を減らす(虫歯菌を減らす)、
酸性になる要因の食べ物を遠ざける、
唾液をだす(自浄作用を上げる)、
などというイメージで虫歯になる要因をどんどん減らしていきます。

一つの方法だけで、予防しようとすると、食べ物だけでは、

なにせph5.5以下だと危険だということですから、
前述の甘い炭酸飲料や、ジュースのphまで酸性に傾かなくても、
お酒類ph4~5。(梅酒はph3)
糖質は歯垢が分解して酸を出し、やはり酸性に傾く、ということを考えると、
癒し系の食べ物であるお菓子やジュース、お酒などは、ほぼ口に出来ないことになる。

ちなみに白米ph4、
醤油、コーヒー、トマト、肉、がph5。

だったら何を食べればいいんだ、って話です。(笑)

 ph5.5より安心ライン。虫歯の心配が少ないといわれる食品としては、
お茶、水、多くの野菜(酸っぱくないような物)、魚。
ph10以上の超安心食品としては、わかめ、ひじき、ほうれん草、
ph12でコンニャクです。

…。 食べ物だけでの予防は、

「無理。」

と思った皆様。
(多分95%以上。(笑))
そして、
今までよく、虫歯にならなかったな、と思った皆様。

多分全身の抵抗力とも関係しています。
同じ人、同じ食生活であっても、
全身の体調やストレスなどにより、
去年は虫歯にならなかったけど、今年はなった、ということは多々あります。

 ただ、この虫歯になるリスクを減らしていくため
的を絞って、一つずつ予防していきましょう。
その最初の的が、甘い炭酸飲料、酢、果汁、ジュース類、
そして甘いキャラメルなど歯にからみつく物といったところです。

 
● 1,虫歯とは

● 2,虫歯の原因を考える

● 3,虫歯予防の話①

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