歯を残すための知識

 歯を残すために必要なのは、そのための知識だと思います。

 「年を取ったら、入れ歯」

ということを当たり前のように感じているかもしれませんが、実はそうではありません。

高確率で防ぐことの出来る歯周病を知らず、ある程度放置してしまった方々が、歯を喪失し、入れ歯になっていることが多い、という状況に近いと思います。

 現在、日本の歯周病での抜歯は、40歳代から目立ち始め、50~60歳代で多さのピーク、
70歳代で「もう抜く歯さえ少ない」という理由で減少していき、
後期高齢者の3人に1人が「総入れ歯」を使っている状態となっています。

ただ、スウェーデンでは、80歳でも、平均残存歯数は約20本とのこと。

 この理由は、1970年代に「予防歯科」を国家的に導入したことで、
それまで日本と同数ほどあった歯周病や虫歯での抜歯数を激減させました。

これを明るい希望ととらえるか、
そのまま放置してしまうかの選択でもあるのですが、
歯周病は、歯科医院に定期的に通い、歯石除去や歯のクリーニングを受けたり、歯周病にならないよう磨き方を歯科医院で聞いて歯垢を減らすこと等(予防歯科)が出来れば多くを防げる病気。

ただ、国家的に予防歯科を取り入れていない日本で、高齢になっても歯を残すことができるかどうかは、
このこと(予防歯科)が大切であることを知っているか、という個人の知識と意思にかかっていて、
そのことを知っている方々だけが、歯科医院に定期的に通い、
歯を残せている、という現実があります。

 30歳代の約80パーセントは歯周病、といいますが、予防できる磨き方を知らなかった場合、
ある一定年齢以上になると、歯周病は、本当に高確率でかかる病気です。

歯を歯周病で失わないためには、「何も調子の悪くないとき」に、歯科医院に定期的に通うのが、大きな保険、
場合によっては決め手になる、という感じだと思います。

 歯を残すのに必要なのは、まず歯科医院に通うこと、という単純な第一歩です。

今は、知識を持っている方も増え、
「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取ってもらおうと思って」 というような予約は、全く珍しくありません。

 何も調子が悪くないとき、健康なときに歯科医院に行き、ケアをしてもらうことは、

「歯を失ってから、入れ歯やインプラントに時間とお金をかけ、さらに噛めない不自由な思いもしてしまうか」、

「健康なうちに先手を打ってケアに通って予防に努められるか」、の選択だという知識が有り、現実をお知りになると、

多くの方が健康なウチに歯科医院に通うことを選択されます。

 どこも調子が悪くない、虫歯にかかったこともない、という方もぜひ、
(30歳代以降の方にはものすごく強く、ぜひ!

「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取って貰いたいと思って…」 とか、

「どこも調子が悪くないんですけど、歯のクリーニングをしてもらいたいと思って…」

という電話を歯科医院にして、
予約を取って通い、定期的に診てもらうといいと思います。

オススメ記事。

● このブログの肝? 歯を長く残すために、とても重要なポイント2つです。
『友歯科衛生士の、長い年月、ご自分の歯を残すためのブログ』

歯垢をより多く落とし、歯周病を防ぐブラッシング方法の一つ
● 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』

友歯科衛生士の、長い年月、ご自分の歯を残すためのブログ

 サイトの記事も少しずつ増え、
この歯科衛生士ブログのタイトル、『友歯科衛生士の「長く、歯を残すためのブログ」』の、
長く歯を残すには、結局どうすればいいの?
という一番大切なポイントの答えが、分かりづらくなってくるかも、と思い、
(多くの記事の中から探すのは大変)
まず大切だと思うポイントを2つに絞って、この記事に書いてみようと思います。

書けばまだ続きはありますが、
まずはここからスタートしていただいて、
歯科医院に行っていただければ、そこで救っていただけるので大丈夫かと思います。

ということで、
この歯科衛生士ブログの肝? 歯を長く残すために、とても重要なポイント2つ。

1つは、定期的に歯科医院に通い、歯周病のチェックや歯石除去、クリーニングなどの予防歯科を受けること。
2つめは、そこで歯磨きの方法を聞いて磨くことです。

2つともできることが理想ですが、例えどちらか片方しかできない時も諦めずに、1つだけでも実践されてください。
歯が残る期間は、大きく違ってくる可能性が高いと思います。

 年齢が上がり、歯を失う原因の第一位は、「歯周病」ですが、

 「歯周病」で、歯を失う確率。 日本は、スウェーデン、アメリカと比べるとずいぶん高いです。
 この原因はまず、歯を長い年月残すための、「歯科医院のかかり方」を知らないこと。

歯科医院のかかり方、正しい方法は、「虫歯になったら通う」ではなく、
虫歯も不調もない時に、歯石除去やクリーニング、定期健診に通うこと。
(予防歯科)

数か月に一度、歯科医院で予防歯科を受けると、歯を失う確率は激減します。
 歯周病は、30歳代以降になると、日本人では約80%の方がかかるそうですが、
反面、「歯周病は、防げる病気」。

基本的に、歯周病で歯が抜ける原因は、歯と歯ぐきの間に住み着く「歯垢(プラーク)」の中の菌なので、
これを落とすことができれば、歯周病にならず、それによって歯が抜けることもありません。

 歯周病を予防する一番の方法は、「歯科医院に行くこと」です。

 えっ? 汚れを落とせばいいなら、歯磨きでは?
と、言うところですが、ここが落とし穴。

 原因となる汚れ、菌の住みかは、ご自分でする歯磨きで取れる範囲を超え、
歯ブラシでは取れない歯石などもあり、
また、歯周病は痛みも音もなく、目立った症状を出すことなく進行し続けるサイレントな病と言われていて、
個人の力だけで歯周病を予防しきることは難しく、気が付いたときには、抜歯を勧められるほど進行している、ということが多いです。

歯科医院の管理下に入らず、診てもらう機会なく40歳代以降を過ごすことは、
歯科では決してお勧めできないデンジャラスな行為。
 虫歯のない方はとくに、歯科医院に行かずに過ごすことが多いため、
歯科のチェックもなく、気が付いたときには抜歯というところまで歯周病が進行していることがとても多くあります。

 30~40歳代以降の方はとくに、ぜひ、歯科医院でチェックを受け、歯周病を防ぐ歯の磨き方を聞いて実践されてください。

「気が付いたときには手遅れ」ではなく、「今ならまだ間に合う」という時期に、歯を残す方法を教えてもらえると思います。

 歯科医院には、虫歯になってからいくもの、というのは昔の話。
今は、予防歯科が大切であるという考え方が歯科の常識で、
虫歯も不調もないうちに、多くの皆さんが歯科医院に来られます。

ここが、歯を長く残せるかどうか大きく違ってくるところで、
このことを知っている方々だけが、歯科医院に通い、長く歯を残せているのが現状かもしれません。

 ということで、このサイトで一番お伝えしたい内容、
ご自分の歯を長い年月残す方法は、予防のために虫歯じゃなくても調子が悪くなくても、クリーニングなどで定期的に歯科医院に行くこと。
そこで正しい歯の磨き方を習って磨くことです。

 ぜひ、どこも不調のないうちから、「歯石をとってほしい」、「健診、クリーニングをしてほしい」という電話をして歯科医院に予約をとり、定期的に通院して、長く、歯を残していただきたいと思います。

☆ おススメ記事

● 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)』

歯垢をより多く落とし、歯周病を防ぐブラッシング方法の一つ
● 『「磨いているつもり、で磨けていない」を回避する、ブラッシング。 スウェーデンの歯磨き法。』

健康なときにも、歯科医院に行ったほうがいい理由

 全く調子が悪くないのに、わざわざ歯科医院に予約を入れて通院する。

その必要性。

 若くて可愛い歯科衛生士さんで、会うのが楽しみだ、という子がいる日だから行く。

「とも歯科衛生士さん」しかいない日はちょっとね…、

ということではないと思います。
(多分)(笑)

もしそうなら、私としては、ここはマスクをして半分誤魔化すしかない、というところですが、
(マスクをすると、隠れる分美人度がかなり割増になるそうです。)

そんなことを楽しみにしている場合ではありません。(笑)

 

一言で言うと、

歯科医院に行かなかった多くの方が、歯周病などで、「歯を抜歯することになることが多いから」。
ということだと思います。

 「年を取ったら、入れ歯」

ということを当たり前のように感じているかもしれませんが、実はそうではありません。

高確率で防ぐことの出来る歯周病に気づかず、ある程度放置してしまった方々が、歯を喪失し、入れ歯になっていることが多い、という状況に近いと思います。

 日本の80歳での平均残存歯数は、約10本。

永久歯は28~32本ありますから、約3分の2を抜歯したことになり、
歯が減った分食べ物を噛むことが出来なくなるので、入れ歯などをいれます。

ただ、スウェーデンでは、同じ80歳でも、平均残存歯数は約20本。

本数が少なくなる方はいらっしゃいますが、
日本より多くの方が、入れ歯を使わずに過ごせていることになります。

 スウェーデンは、1970年代に国家的に予防歯科を取り入れ、
それまで日本と同数ほどあった虫歯や歯周病での抜歯数を激減させました。

 これは、健康なうちに歯科医院に通い、歯石を取ったりクリーニングをしたり、問題の出る場所の歯の磨き方を習うなど歯垢が多くならないようにケアすることができれば、多くの方が歯を長く残すことが出来る、という現実を示しています。

これを明るい希望ととらえるか、
そのまま放置してしまうかの選択でもあるのですが、
歯周病は、歯科医院に定期的に通い、歯石除去や歯のクリーニングを受けたり、歯周病にならないよう磨き方を歯科医院で指導してもらって原因菌を除去し、減らすことが出来れば防げる病気。

ただ現在、このことがなかなか徹底されていないこともあって、
歯周病は歯の喪失原因の第一位となっています。

 

  全身でも、よく人間ドックだったり、健診というのがあり
それでいろいろな病気が見つかったりしますが、

そういう観点で言うなら、「歯周病」は、高確率で見つけてもらえる病気、そして、見つけてもらったら、

早めに知って手を打ち、歯を失わなくて良い確率が、上がる病気です。

 30歳代の約80パーセントは歯周病、といいますが、予防できる磨き方を知らなかった場合、
ある一定年齢以上になると、歯周病は、本当に高確率でかかる病気です。

スウェーデンのように国家的なプロジェクトとして予防歯科が導入されていない以上、
ここは、個人で自主的に歯科医院に通って予防歯科をするしかありません。
健康なときに予防のため、歯科医院にかかれるかどうかは、日本の場合、そのことが大切であるということを知っているかという、
個人の知識と意思にかかっている、というところです。

 健康でもメインテナンスに歯科医院に通院すれば、
歯周病を発見してもらえ、今、御自分の口の中がどういう状態なのか、
歯はこれからも残せそうか、
現状が分かり、予後が見えます。

歯を歯周病で失わないためには、「何も調子の悪くないとき」に、歯科医院に定期的に通うのが、大きな保険、
場合によっては決め手になる、という感じだと思います。

  何も調子が悪くないのに歯科医院に行くのか?
と思う、その気持ち、よく分かります。昔はあまり日本にない習慣でした。

でも今は、
「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取ってもらおうと思って」 という予約は、全く珍しくありません。

何も調子が悪くないとき、健康なときに歯科医院に行き、健診をしてもらうことは、

「歯を失ってから、入れ歯やインプラントに時間とお金をかけ、さらに噛めない不自由な思いもしてしまうか」、

「健康なウチに先手を打ってケアに通って予防に努められるか」、の選択だという知識が有り、現実をお知りになると、

多くの方が健康なウチに歯科医院に通うことを選択されます。

  30歳代以降などは仕事や家庭、多方面でとても忙しい時期ですが、
歯科医院でのクリーニング、定期検診はとても大切です。

 どこも調子が悪くない、虫歯にかかったこともない、という方もぜひ、
(30歳代以降の方にはものすごく強く、ぜひ!

「どこも調子が悪くないんですけど、歯石を取って貰いたいと思って…」 とか、

「どこも調子が悪くないんですけど、歯のクリーニングをしてもらいたいと思って…」

などというような電話を歯科医院にして、
予約を取って通い、定期的に診てもらうといいと思います。

「高密度植毛」の歯ブラシ、メリットとデメリット。

 今回は、主に「やわらかめ」や「ふつう」の歯ブラシの参考に、「高密度植毛」の歯ブラシについて、書いてみたいと思います。

  歯ブラシには、「高密度植毛」といって、毛の一束の中の本数を多く植毛しているものも多くあります。 
歯科用歯ブラシでも市販の歯ブラシでもよく見かけるようになりました。

先日お伝えした「ルシェロ歯ブラシ」も高密度植毛、「テペ歯ブラシ」も高密度植毛、
(記事はこちら。
● 「ルシェロ歯ブラシ」 → 『「ふつう」 の歯ブラシ』 
● 「テペ歯ブラシ」 → 『「やわらかめ」 の歯ブラシ』 )
市販の歯ブラシも、ライオンさんでもサンスターさんでも高密度植毛を販売している、というような感じです。

 高密度植毛とは、読んで字のごとく、同じ面積の範囲でも、多くの本数のナイロン毛が植えられている歯ブラシのことで、一つの毛束の中の本数が、普通よりも多く、密度が高く植えられています。
(えー…、要するに「高密度植毛」です。(笑))

この高密度植毛のメリットは、
一般の歯ブラシと同じように歯磨きしても、高密度植毛で本数が多くある分、毛先が何度も当たるような効果があって、歯垢が取れやすくなること、と、
多くの毛先が一度に歯面や歯ぐきと接着することになるため、その分、広い面積で圧を受け止めることになり、
当たったときの圧が分散されて、力の入れすぎによる弊害(傷等)を回避しやすい、ということなどで、

歯ぐきへかかる圧の負担を少なくしながら、少しでも多く歯垢が取れる、利点を
主に「やわらかめ」の歯ブラシ、「ふつう」の歯ブラシで活かそうと採用されていることが多いと思います。

 デメリットとしては、あまり本数を増やしすぎて密度を高くし過ぎると、一本一本の毛と毛の間に隙間が少なくなるため、磨く歯に絡む感じが少なくなりがちなこと。

 例えば、毛糸を編んで作るアクリルたわし、などを思い浮かべていただくと分かり易いかと思うのですが、

食器を洗うアクリルたわしは、アクリルの毛糸を編んだだけのセーターのような一枚の生地で、これで食器を洗うと、
コップなど洗剤が無くても綺麗になるということで、よく使用されるようになったものです。
 我が家にも私がアクリルたわしを作ろうと思って、100円ショップで買ったまま放置され、
あれはいつになったら  「たわし」 になるんだろうかと思われるアクリルの毛糸の玉あるのですが、(笑)
(私が編まなければずっとアクリルたわしにならない。(笑))
アクリルたわしは、セーターのように編んで適度な大きさにした一枚の物で、毛糸の繊維や編み目の隙間が多く、そこに汚れが引っかかることで汚れが落ちる、という構造になっています。

これが目の詰まったサラサラのYシャツ生地などだったら、汚れが引っかからず、食器の汚れは落ちづらいのですが、
適度に目が粗く、そこに汚れの入るスペースがあることで汚れがとれる。
セーターとして使うなら、この目に(熱伝導が少なく断熱効果の高い) 空気が多く引っかかることで、保温効果がある、というような、生地の特徴があり、
適度に目が粗く密度が低いには低いなりのメリットがあるわけです。

高密度植毛も、機械的に何度も同じ所を擦れるという効果は、本数が多い分あるのですが、
あまり過度に本数を多くしてしまうと、そこに隙間がなく目が詰まっている状態になってしまうため、空気や汚れのようなもの、つまり、他のものが入るスペースが少なくなってしまい、磨いてみると、歯に絡む隙間、余裕がないという感覚になります。

また過密すぎると、一本一本の毛と毛の間の隙間が少なく自由に動くスペースが小さく限られるため、
あまり動けずに毛束全体が一本の毛のように一体化して動き、太い毛束全体を一本として撫でられているようでほとんど歯に絡まない、とても磨き心地の悪いことになることがあります。

なので、高密度植毛といっても、本数をひたすら増やせば良いというものではなく、
そこには適度な隙間が必要になります。

高密度植毛の歯ブラシにもいろいろな密度のものがあるので、その中で適度な物を選ぶことも必要で、あまり高くなりすぎない毛束の本数や密度の見極めも、使い勝手には大切なことかと思います。

 ただ適度に毛の本数を増やした高密度植毛の歯ブラシは、
多くの本数で歯垢を除去でき、また、広い面積で圧を受け止めることにより刺激を少なくすることができるので、
歯ぐきを傷つけにくくしたい柔らかい毛の歯ブラシには向いていて、
歯茎の炎症を起こしている歯周病用の歯ブラシや、歯ぐきを集中的に磨きたい歯周病予防の歯ブラシで多く採用されています。

すぐに歯ぐきの表面が傷ついて痛くなってしまう、などというときには、刺激が少なく使えるというメリットがあるので、
毛先を動かさず、力を抜いた優しい圧で、御自分で使って磨きやすい感じのする高密度植毛の歯ブラシを選んで使われてみてもいいかもしれません。

若干「かため」な感じ、バトラー#211

前々々回記事より、
● 歯ブラシ、「やわらかめ」「普通」「かため」は、どれを選べばよいでしょうか
● 「やわらかめ」 のテペ歯ブラシ
● 「ふつう」 の毛のかたさ、ルシェロ歯ブラシ

と書いてきたら、次回は 『「かため」 の歯ブラシ』 だろう、と期待の集まるところなので、
今回は 若干「かため」の歯ブラシ について書いてみたいと思います。(笑)

 さて、「かため」の歯ブラシを使うときには、いろいろ制約が入ります。

若干「かため」の『若干』って何? という感じですが(笑)
「かため」といっても、「ひたすら剛毛」というようなものは、歯ぐきや歯を傷つけるのでNG。
硬い分、傷つけやすいということにもなるので、硬い毛であればあるほど、弊害(傷、歯ぐきのすり減り等)がでないようにに気を付けて磨かなくてはいけません。

歯ブラシと歯磨き剤との相性の観点からいうと、硬めの歯ブラシは、歯磨き粉をつけないで磨くのがいいと思います。

まず、弾力がある、そして、毛先を丸く加工されているなど、
なるべく歯ぐきや歯の弊害がでにくいものを選択していくことが大切かと思います。

ただ、弊害さえ回避して磨くことが出来れば、ある程度の硬さがあり、弾力のある歯ブラシのほうが歯垢自体は取れやすく、短時間で効果的にブラッシングできるので、
プロや歯磨きの上級者など弊害なく使えてしまう実力がある場合、使い慣れると手放せなくなる一面もあります。

ここらへんが、自分達が使えても必ずしも全ての患者様にお勧めできるというわけではない、というところで、
歯科医院などでも「かため」がお勧めされることは少なくなっているようです。

「かため」というと、分かりづらいのですが、
「弾力のある歯ブラシ」というと、ベッタリ貼り付いてヌルついている歯垢の細菌群が取れやすい感じが伝わるかも知れません。
この「弾力」を出すために、ある程度の硬さが必要になる、という感じかと思います。

 以前記事に書いたのですが、弊害である傷やすり減りは、直接触れた毛先が、そこから移動する(引きずられる)ときに付きやすくなります。
(こちらの記事。『なぜ、歯ブラシで、歯ぐきは傷つくのか? (歯ブラシの動かし方)』

これを回避するには、よくしなる弾力のある歯ブラシを選ぶことと、とにかく当たったときの力加減を圧がほどんどかかっていないぐらいに調節すること、やわらかく当てた毛先を移動させない(引きずらない)ということが大切になると思います。

毛が歯や歯ぐきに当たったときの力を「ただ当たっているだけ」(2ヶ月くらい使用しても歯ブラシの毛先が開くことがないぐらいの圧)で、歯ブラシの毛先を移動させず、振動させるように動かすのがいいかもしれません。

毛先は「かため」で弾力があり、良質の材料できちんと作られている歯ブラシなら、「普通」の硬さのものより開きにくくなるので、
「ふつう」の歯ブラシで1ヶ月で毛先が開いてくる場合は、もっともっと長い期間、開かないぐらいが正解だと思います。

 さて、「かため」の歯ブラシで患者様にお勧めのものというと、
前述の通り弊害が出やすいという理由から、なかなか書けないところなので、
今日は私の使っている歯ブラシの中で、毛に弾力やコシがあり、歯垢が落ちやすくて、他の歯ブラシより若干硬めに感じている個人的に使いやすいと思う歯ブラシを載せてみたいと思います。

P1030509

 サンスター株式会社からでている「バトラー#211」。
私の使用所感記事はコチラ 『世界の名品。 「バトラー#211」(歯科用)』

 この歯ブラシは、毛の硬さ表示としては「ふつう」なのですが、
前回お知らせした、「ルシェロ歯ブラシ」や前々回お知らせした「テペ歯ブラシ」のふつうよりも、弾力(硬さ)があり、歯垢が落としやすいと思います。
同じ「ふつう」表示でも、メーカーによって硬さは異なる感じなのですが、スッキリ歯垢が落ちた感じが味わえます。

フラット(平ら)な歯ブラシで、しっかりしている分、「歯磨き粉を付けて大きく横磨き」など間違った使い方はできないのですが、弊害がないように力を抜いて当て、毛先を移動させずに振動させるような磨き方を歯科衛生士さんの指導の元に実践すると、歯ブラシだけでもかなり歯垢が取れ、やわらかめの歯ブラシより短時間ですっきりとした感じがします。
(個人の症状等によりブラッシング方法は違いますが、それぞれ合ったブラッシング方法と歯ブラシをブラッシング指導で教えてもらえます。)

 お口の中の状況は、お一人お一人違うので、多数の方が読むサイト上で読者の方に「これがあなたにピッタリ!」と申し上げることはできないのですが、
多くの歯科医院では直接それを教えてもらえるので(「ブラッシング指導を受けたい」と希望すると多くの所で教えてもらえます)、ぜひ聞かれてみて下さい。