GC ルシェロ 歯ブラシ B-20M ピセラ (ふつう)

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「歯科助手」講座、合格しました。 (歯科助手に興味のある方だけが読んだ方がいい感じの長文記事です。)

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 「 歯科助手」講座修了しました。

あれ? とも歯科衛生士さんて、歯科衛生士じゃなかったっけ?
歯科衛生士って歯科助手の仕事はできないの??

と、疑問に思われる方、ごもっともでございます。

 歯科助手の仕事は「歯科診療介助」、患者さんの口の中に触ることはできません。
歯科衛生士は、歯科助手さんの仕事は全て出来ます。
歯科予防で患者様の口腔内の処置も出来る国家資格です。

歯科衛生士学校の勉強に、「歯科診療補助」という科目があり、歯科医院などの現場に出ての実習もあります。(歯科助手さんができるのは「歯科診療介助」まで。口の中までは触れません。)

当然、歯科助手さんより深い知識をもって、仕事ができるはず。

なので、歯科衛生士の国家資格があるのに、歯科助手さんの講座を受けるのはとても珍しいと思います。

が、私が今回歯科助手の講座を修了したわけは…

まさかの、

「ブランク長すぎ」。(笑)

 歯科衛生士の仕事を歯科医院で再開しようとすると、けっこうなブランクがあるので、歯科材料や補助の仕方も変わっているような気がするし、
歯科衛生士の資格を持っている以上、やっぱりどこから見てもプロな訳で、あんまり恥ずかしいことにはなりたくないな、と思い、最新の診療について勉強しておきたいと思って「今」の教材を取り寄せたら、歯科助手の講座が修了してしまった、というわけです。(笑)

 最新の治療方法や、主流の考え方などは、歯科の専門誌やネットの検索などでもかなり載っていて、読むことが出来るのですが、
使っている歯科材料や診療補助の実際など書いていない事も多いので、ある程度知っておきたいと思って取り寄せました。

 歯科衛生士の仕事も、意外に専門分野化されていて、
主にブラッシング指導を担当し、診療介助を主に歯科助手さんが担当してくれている職場もあれば、逆に仕事のほとんどが診療補助、という歯科医院もあり、
小児歯科で子供しか見なかった方もあれば、歯周病に力をいれている歯医者さんで患者さんがほとんど大人、ということもあります。
 その他、矯正歯科は、一般歯科とは違う仕事もありますし、市役所等で、みなさんに講習することが仕事、企業で歯科材料の御説明をすることが仕事、等々、
 職場により、新しい知識と勉強が必要になります。

 ということで、診療補助の最新を知りたいと思って、取り寄せた教材ですが、
その目的では、ちょっと失敗でした。

 歯科助手さんの仕事は、まず、「歯科の器具などの名称を覚える」ことからスタートするからです。
 なので、教材もほとんど、歯科器具や材料の名称、歯科診療の流れ、治療によって揃える歯科器具や材料について、などの基本的なものがほとんど。
 新しい診療の補助については、とくに載っていませんでした。

 私も歯科助手さんのことを「分かっていなかったな~」と実感したのですが、
「歯科助手」として歯科医院に就職すると、器具の一つ一つ、使う材料の一つ一つ、が一般ではほとんど使われないもののオンパレードになるため、まず、その一つ一つの名前を覚え、使う目的や手順を覚えていくことから始まります。
 例えば、軽い虫歯で削って詰める時の材料を用意する。また歯根の方にまで病巣がある時に、治療する器具や材料を揃え、手順を追って手渡しする。など、それぞれの症例に合わせて、歯科医師が治療しやすいように介助していく役割です。

 器具一つとっても名称自体が分からないことの連続なので、始めは特にとても大変だと思うのですが、
私のいた職場では、みんな歯科助手経験者で、一から歯科助手さんの仕事を始められた方々ではなかったため、私の中で「知っていて当たり前」感があり…、今思うと、みなさんすごい!
(今さら。(笑))

この歯科助手の講座。
私はもちろん歯科診療に関して、全部正解できましたが、それは歯科衛生士の勉強をしていて、歯科医院に勤めた経験もあるからで、
もし、私が全く歯科医院に勤めたことがなく、現場や器具を知らなかったら、けっこう難しかったかもしれないと思います。

一応、私が通信講座を受けた「ニチイ」さんでは提出問題(レポート1,2と修了試験NO,1~NO,3)が全問正解でなければ、合格にならず、修了証書がいただけませんでした。
(再提出になります)

 私にとって一番勉強になったのは、レセプト(歯科の保険点数)のこと。
今は分かりませんが、私は学校で、歯科の保険点数についてはほとんど習わなかったのと、働いていた歯科医院でも歯科受付の方がして下さっていたので、「こうなっていたんだ」と新たに勉強になった部分が多くありました。

 それでは折角なので、「歯科助手」の仕事を書いてみます。

歯科助手とは、

歯科医院で、歯科医師のアシスタント業務をする仕事。

具体的には、
(診療のアシスト)
・治療に必要な器具、材料等を準備しておく
・歯科医師が治療しているときにバキュームを持つ
・治療器具を順番にタイミング良く器具を手渡しする
・患者様の様子を見て、声を掛け、お話を聞く
・歯の型を取る時、その材料を練る
・歯の型を取った材料に、石膏を流し入れ、固まったらはずす
・歯に補綴物を付ける時、そのセメント等を練る
・治療器具を片づけ、洗い、滅菌する
・治療に使うワッテ(綿)など材料等の補充
・診療に使うタオル等の洗濯
・診療室、待合室等の清掃
等々。

(受付業務)
・患者様の保険証確認、予約を取る、など接客業務
・カルテだし
・電話対応
・会計業務
等々。

(技工所・歯科材料の業者とのやりとり)
・歯の補綴物の発注、受け取り
・残り少なくなった歯科材料等について発注、受け取り
等々。

(診療時間)
・その歯科医院による。
お昼休みが2時間ぐらいと長く、その分診療時間(勤務時間)が遅くに延びている歯科医院や、交代制を取っている歯科医院、などもあり、それぞれ形態が異なります。

(人間関係)
・歯科医師、
歯科衛生士(いない場合もあり)、
歯科技工士(外注の場合もあり)、
歯科受付(歯科衛生士や歯科助手が兼務する場合もあり)、
という歯科助手の人間関係の中で仕事をすることがほとんど。
 歯科医師との相性、歯科衛生士との関係が上手くいくと、快適ですが、一つの空間で、長く近く(バキュームを持つなど診療のアシストに入る時は1m以内くらいの距離感)にいて仕事をすることになるため、先生や仕事との相性があると思います。

(職業として)
一人でする仕事ではなく、チームであったり、先生のアシストとしての仕事になるので、縁の下の力持ち的な要素の強い仕事です。
はじめは覚えることも多く、大変なことも多いと思います。

 歯科医院のスタッフ、イコール、歯科医院の看板、になるので、面接の時点で、
先生に「看板」として認められないと、雇われないということはあると思います。
 とくに美人というよりは、感じが良い女性、その歯科医院にいらした患者様に、感じよく安心して治療を受けて頂けるかが基準だと思います。

 (「歯科衛生士」と「歯科助手」の違い)
 歯科衛生士は、専門の学校に(現在は3年)通学し、国家試験に合格して資格を取得した者。
 歯科診療補助業務の他、歯科予防処置として、口の中に触り、歯石除去やフッ素塗布など一定の処置をすることが可能です。

 歯科助手には国家資格がありません。
民間の資格があります。無資格で働けますが、歯科医院の治療ではほぼ、専門用語のような言葉が多く使われるため、あらかじめ勉強しておくという意味で使われているようです。
 歯科医院の中での仕事では、患者様の口に触れることができない、というのが特徴だと思います。

 (就職)
歯科医院はコンビニの数より多い、ということもあり、歯科助手の求人は多いと思います。
 ただ、仕事の相性や、人間関係の相性があり、
向いている方には向いていますが、辞められていく方も多い仕事だと思います。

 年齢が上がってきても勤められるか、ということに付いては、その歯科医院先生のお考えなので、一概には言えません。

 ただ個人的には、長く同じ所に勤めていて、年齢が上がったから辞めさせられた、という話はあまり聞いたことがありません。
 歯科医院の先生は、スタッフに長く勤めてもらい、安定した職場で患者様に安心感を与え、同じスタッフで長く仕事をしたいと考えていることが多いです。
 いつもスタッフが変わることは、患者様にとっても違和感がありますし、先生にとっても常に慣れないスタッフと仕事をすることになり、気も遣い効率も悪い、ということになります。

 年齢が上がれば再就職は難しくなっていくという面はあると思いますが、それはどの職業でもさほど変わらない面があると思います。
 院長先生との信頼関係を築いていると、同じ歯科医院に再就職、ということもあります。

 歯科助手の仕事は覚えることも多く、人との間で気を遣い、大変なところもありますが、慣れてしまうと、いろいろな職場で順応できるということもあると思います。

 

実は「ニチイ」さんで講座を受けたのは、他にも資格を取っていて「受講生割引」があったから。(笑)
私がニチイさんを受講したもう一つの講座の記事はこちら。
『「ヘルパー2級」の資格を取りました。』

世界の名品。 「バトラー#211」(歯科用)  

BUTLER#211

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 買いました。バトラー#211。

参考価格は、1本315円。
送料無料のネットで購入。

いや~、お金書けてるね~このサイト!(って、それほどでもない…(笑))

 歯ブラシ所感を書くに当たり、バトラー#211は私てきにも、はずせない一本です。
 最初に書きたいと思って注文しました。

 たくさんの歯ブラシがありますが、その中でもバトラー#211は、いわゆる、プロが選ぶ逸品です。

◇ハブラシ全長:162mm◇毛丈:9.5mm◇毛の太さ:8mil(約0.203mm)
◇植毛3列24タフト
奥歯にも届くよう細身に作られています。

 え? どこから見ても、普通の歯ブラシ、特に工夫はないような…。
というのが、第一印象かもしれません。

 毛先もフラット(平ら)で、目に見えての違いは一見感じられません。

 いろいろな歯ブラシを試されている方なら、あのブラシにはああいう工夫が、このブラシにはこういう工夫がしてあるのに、
とくに工夫が感じられない!と思うかもしれませんが、

そうバトラー#211の特徴は、なんといっても、「歯ブラシの毛」そのもの。

一見何の変哲もない、この毛の弾力、歯垢を掻き取る毛先の感触自体、が素晴らしい。

私だけの感覚かもしれませんが、
粘りのある歯垢に対抗する、しなるような弾力で、歯垢を掻き落とす感じです。

 この軟らかすぎず、硬すぎず、柔軟で、でもしっかりと掻き落とす感じは他のブラシではなかなか見つからず、同じように磨いたら、他の歯ブラシより一瞬長く歯に残って一掻きするというか、この一掻きで歯面に付いた粘りけのある「歯垢」一気に落ちる感覚です。

毛が「しなり」過ぎるとやりづらいですが、
この「しなり」加減が、絶妙でちょうどいい。

 歯に当たる感覚がとてもしっかりしていて、かつ、しなやかな柔らかさ持っている、という両面を備えています。
その感覚を実感するのに、歯磨き粉を付けないで長く磨いて頂きたい、と思う歯ブラシです。

少し硬めの歯ブラシになるため、力を入れず、ほとんど毛先を動かさない磨き方で磨いていただきたいのですが、
バス法、スクラビング法に、向いていると思います。
(バス法、スクラビング法とはこちらから。『8, 前半 『歯周病予防』のためのブラッシング指導。ぜひ受けて頂きたいので、その様子を書いてみました。』

 毛先に細かい凹凸が付いているため、歯垢をとらえる力も強く、多くの歯垢が取れる感覚がします。

 皆様はこんなことをする必要までないかもしれないのですが、試しに、新しい他のブラシ、と、新しいバトラー#211のブラシを一度におろして、使ってみると面白いかもしれません。
 歯ブラシによって、毛の当たる感覚は面白いほど変わるものです。
 バトラーと、他のブラシを、違う歯で試し、その歯垢の落ちる感じを舌で確かめると、分かりやすいです。

 歯科衛生士としてお勧めできませんが、
口の中に少し歯垢の付いた状態だと、よりリアルに分かります(笑)。

 歯ブラシで磨いたときの、歯垢の取れ方が、とてもすっきりと歯面からはがれる感じ、磨いたあとのつるつる感が感じられると思います。

というのが、私の個人的なバトラー#211使用所感です。
と、いうことで、私の使用所感は以上ですが、

ここからは少し客観的に、バトラー#211の製品について。

 作られてからの歴史も長く、一見こんなシンプルな作りなら、あらゆるところがマネできそうなのに、知名度のある秀逸品としての地位を確立し、ロングセラーなのはなぜか?

 テレビ番組なら工場潜入とかして、その秘密にせまってみたいところです。

が、正直、工場のことまでは分かりません。(笑)

 ただ、その毛にはやはり独自の技術が使われているようです。

バトラー#211の特徴は、「テーパード・サテナイズド加工」された毛先。

 Dr. Butlerが開発した技術で、歯肉溝内にスムーズに毛先が届くように、グラインダー(やすり)で1本1本の毛先の丸い先端を、さらに先細く削っていくテーパード加工と、

プラーク除去効果をより高めるため毛先の表面をザラザラにしたサテナイズド加工することにより、歯肉溝内のプラークをしっかり除去するように、作られています。

 旧社名「J・O・バトラー社」の会社設立は1923年。本社はアメリカ合衆国シカゴ。
歯科医師であったジョン・オスカー・バトラー氏が自分のオフィスで歯科医師相手に歯ブラシを販売する事から事業を開始しました。
その後、発展しドラッグストアへ販売を始め、1980年代にはアメリカ外にも進出。
1988年に日本のサンスター株式会社により買収されて子会社となり、社名を「サンスターアメリカインク」と変更しています。

日本では「バトラー」というブランド名で主に歯科医院向けの歯ブラシの販売などを行っており、定番タイプの「バトラー#211」が特に支持されています。
取り扱っている歯科医院の他、東急ハンズなどの大手雑貨店でも入手が可能です。


※ 歯磨きには弊害もあります。 優秀な歯ブラシも力加減や動かし方、個人の症状などによって弊害の出ることがありますので、必ず歯科医院でのブラッシング指導を受けて気を付けてお使い下さい。

「なぜ、歯垢は落としづらいか」(バイオフィルム)

 「歯垢 落ちない」のキーワード検索で、サイトに訪問してくれた方がありました。
 今日はこれについて考えてみたいと思います。

 「歯垢」は歯ブラシで簡単に落とすことができます。
と、よく言われます。

 ではなぜ、「歯の磨き方」を習わなくてはならないほど、歯垢は落ちにくいのでしょうか?

それには歯垢のもつ「特徴」が関係しています。
「そこにある歯垢」だけを狙って歯ブラシを当てたとき、確かに歯垢は軟らかく、簡単に落とすことができますが、
口の中全体で見たとき、その全ての歯垢を落とすことは容易ではありません。

 その理由で思い当たるものを書いてみます。

 一つは、歯垢のもつ「粘性」。

 歯垢の中の細菌は、歯面に付くと、歯面から容易にはがれ落ちることのないように、歯の上に粘性物質をだして付きバリアを張ります。(バイオフィルム)
 これが、歯面から歯垢が落ちにくくなる要因の一つです。

 よく言われるのが、台所の三角コーナーの「ぬめり」ですが、
粘性の物質の中に、細菌叢が集落を形成しています。

 これと同じような状態が、歯や歯周ポケットの中にもあり、
ねっとりと歯に絡みついて、容易には落ちないようにしています。
 歯ブラシ等、機械的な破壊があれば落ちますが、「うがい」だけでは落ちません。

 

もう一つは、歯垢の「柔らかさ」です。
 例えば、大きな汚れが固まっている場合、その端の方をはがすことが出来ると全体がはがれてくる、ということがありますが、
 通常、歯垢にはそれが期待できません。
豆腐のように軟らかく、すぐ崩れるため、歯ブラシの毛先が当たったところの歯垢は落ちますが、その歯垢とつながっっている全体が落ちるわけではなく、崩れて歯ブラシの毛先に当たらなかった部分の歯垢は、歯面に付いたままの状態になります。
 この極端に言うと、落としたい歯垢の全てに歯ブラシの毛が当たらなくては歯垢は落ちない、というところが、口の中にある歯垢を全部落とすことを困難にする理由だと思います。

 そしてこれらにさらに追い打ちをかけるのが「歯垢の見えづらさ」です。

 歯垢は歯のような白色をしていて見にくい、ということもありますが、
よく見て「歯カス」のようにはっきりとみることが出来なくても、実は歯垢が付いていることがあります。

 歯科医院で「染め出し液」を使った御経験のある方は分かるかもしれませんが、
例えば八重歯の横に一本引っ込んでいる歯があると、その一本に歯ブラシの毛が当たらず、極端に赤く(歯垢の付いている部分が赤く染まる液=染め出し液)染まったりします。
 ただ、染め出しの前に目で見た状態では、とくに「歯カス」のようなはっきりとした歯垢が見えているとは限りません。

 かなり歯垢の量が増えてきた状態では、目でも確認できますが、
その状態にまでならなくても、歯垢が付いているということは沢山あります。

 この「容易に目で見えない」という特徴も歯垢を落としにくくする要素です。

 台所の三角コーナーも、スポンジで擦っただけですっきりとキレイに汚れが取れるとは限らず、洗ったのにまだ「ぬめり」が残っている、などという状態になることがありますが、
 口の中でも同じようなことが起こります。

 歯を磨いてつるつるになった、と感じるときばかりではなく、磨いてもすっきりしない、という感じは誰でも持ったことがあるのではないかと思います。

さて、それを少しでも克服するのに、歯の磨き方を覚えることも大切ですが、
もう一つ、その道具、歯ブラシなどを選ぶことも大切だと思います。
(こちらの記事も参照されて下さい。「なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか」

 

 現在、患者様のご家庭で歯ブラシ等をつかって、このバイオフィルムを完全に落とすことは出来ず、この落としにくい歯垢を安全に落とすように、手磨きの他、歯科医院でのPMTC(機械を使って専門的する歯のクリーニング)、超音波を使って落とす方法など、様々な方法が考えられています。 歯垢除去と一口にいっても、まだ先は長いのかもしれません。

とは言っても、
定期的に歯科医院でPMTCを行い、普段の歯ブラシ等によって、ある程度歯垢を落とすことが出来ていれば、多くの場合、歯周病を予防することが可能です。
 毎日の歯磨き実践は、決して無駄ではありませんので、ぜひ歯科医院に通われてブラッシング指導を受け、健康を維持されてください。(^^)


次、 よろしければこちらもご覧下さい。
なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか

 

なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか?

 歯磨きの方法には、歯ブラシの毛の「毛先」を使う方法と、「側面」を使う方法、その両方を組み合わせた方法がありますが、
 「歯垢を落とす」という目的で主に「毛先」が使われることも多いです。

 毛先を用いた歯垢除去の方法では、
「毛の断面」が直接歯垢に当たった時が一番、歯垢の取れる状態ですが、
その時の毛は真っ直ぐ直線で歯垢をとらえなければ、歯垢を落とす効果が薄くなります。

よく毛先が開いたら、歯ブラシの取り替え時、といいますが、
歯ブラシの毛先が開く、ということは、毛が曲がっている、つまり、直線で歯垢をとらえることが出来ない、ということです。

これを写真で見ると、

歯ブラシの真っ直ぐな「直線の毛」は、

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自分の狙ったところの歯垢を的確にとらえられますが、

 一方「曲がった毛」では、

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歯垢をとらえることが難しい、だけでなく、歯垢をとらえたときの掻き取る力も入らないことが写真で分かると思います。

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 同じ時間、同じ方法で、歯ブラシを当てて歯磨きをした場合、
毛先の開いた歯ブラシと、新しい歯ブラシでは、取れる歯垢の量に格段の違いがあります。

 また開いていないブラシでも強すぎる圧でギュッギュっと歯を磨いた時、
強く押しつけすぎて毛先が、逃げるように広がってしまっては歯垢は落ちませんし、
例え当たったその部分だけの歯垢は取れても、強く擦れて、歯を削ったり、歯ぐきをすり減らせてしまったりします。

例えば、靴磨きのブラシなど、少し毛先が開いていた方が、当たりがソフトになって使いやすい、 などということもありますが、
「歯磨き」に関して言えば、これは当てはまりません。
 全体を優しく擦ってツヤを出す、という「靴磨き」の要素ではなく、
ぬるついて歯に絡みつく歯垢を的確に落とし、適度な力加減でマッサージされる必要があるからです。

ちなみに、これは歯を磨くときの注意点になるかと思いますが、

歯ブラシで磨くときは、力を入れすぎると、口の中にも弊害がでます。
その主なものには、
「歯ぐきが擦れて後退する」歯ブラシの毛が歯ぐきに擦れて薄くなっていくもの。
 こういう弊害は、毛先を使った磨き方でもなりますが、側面を使った磨き方でも、ローリング法などで、力を入れて歯と歯ぐきの間を何度も擦ったために、その部分の歯ぐきが薄くなってなくなり、歯根が露出した状態になったりする、ことなどがあります。

 歯と歯ぐきの間にある「歯垢」を落とさなければ、高確率で歯周病にかかりますが、
歯ブラシや歯間ブラシが強く当たりすぎると、その部分の歯ぐきが薄くなり、後退するということもあり、歯磨きの仕方は歯科医院でブラッシング指導を受けられることはもちろん、御自分で鏡を見ながら気を付けられることが大切だと思います。

また、一年間の歯ブラシの使用本数の平均は、一人当たり、
ドイツ 約20本
韓国  約 8本
に対して、日本では約3.5本だそうですが、
ここで「もったいない」精神を発揮するのは、お勧めしません(笑)。

開いていない歯ブラシでも、古くなって毛の弾力が無くなってしまった歯ブラシでは、新品のものより歯垢除去能力が大きく落ちますので、効率を上げるためにも、使い始めたときよりだいぶ弾力が無くなってきたなと感じる歯ブラシは、ぜひ新品に取り替えて磨いて下さい。


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・ 『なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。』

・ 『実はスゴイ! 「フロス」』

・ 『なぜ、歯垢は落としづらいか』(バイオフィルム)