私の保険外 セラミック(陶器)。

 歯医者さんで、自分から保険外(自費)のかぶせ物を申し出てしましました。
セラミック(陶器)です。

こんな患者様はちょっと珍しいかも。(笑)

 私は歯科衛生士で、歯科のことについては、一般の方よりちょっと詳しい。(当たり前です(笑))
 保険と保険外の「かぶせ物」の違いは、その材質にあります。
私が治療している歯(小臼歯)を「保険の白い歯」でかぶせると、材質はプラスチックになります。
 プラスチックはプラスチックだからプラスチックなのであって、当然、保険外の「陶器」とは違います。(すみません、ちょっとふざけました。)

この経緯は次のとおりです。

 私の歯の詰め物が取れました。
それを診て下さった先生が、
「これは、ちょっと削って「かぶせる歯」にしたほうがいいですね。保険で白くできますからね、保険でよろしいですよね。
じゃ、今日はこれで終わりになります。次回、治療に入りますね。」

終了…。

 特に保険と保険外の説明もなく、次の患者様が待っている忙しそうな状態で、「保険外って…」と話しかけるのも申し訳なく…みたいな雰囲気で。
 ちょっと呆然のまま歯科医院を後にした私くし。

が、

帰りのバスの中でも、

帰り着いた家の中でも、

実は私の心の中の声は…、

「ほ…、保険でし?

しろく~~??

……。

その治療は、絶対にイヤ!」

という強い叫びが、響き渡っていたのでした。

 もし私に歯科の知識がなければ、この後普通に、先生の言うとおり、保険でかぶせたと思います。

 でも私は歯科衛生士(通っている歯医者さんにはとくに伝えていませんが)。
 保険と保険外の違いは、知っています。

 私の口に入る予定の「保険の白いかぶせ物」の材質はプラスチック。
(治療する歯などにもよるので皆様が保険治療する時に、これを入れるとは限りません。)
 時間が経つと口の中で変色します。表面も摩耗し、細かい傷が付くので、歯垢も付きやすく落ちにくくなるとともに、いくら丁寧に歯ブラシをして磨いていても、プラスチック自体がすり減り劣化してしまうという特徴を持っています。

 それでも安いので、金額を考えるとメリットはありなのかもしれませんが、
耐用年数が保険外のものより短いので、また治療が必要になり、治療の回数が増えるたび、歯は削って小さくなり、抜歯にも近づいていきます。

 保険外の歯の値段は大きい。
価値を知らなければ、私も間違いなく「高い!」と思うお値段です。

 でも私にとっては、自分でプラークコントロール(歯垢を落とす歯磨き等)などの管理がある程度でき、知識もあるのに、ここで保険にして、結局歯を抜く時期を早めることの方が、ずーーーっと高い!

 今通っている歯医者の先生は、ブログを書いていて、勉強熱心。悪い方ではないのですが、なんというか、説明はあまりお上手じゃないというか…。(笑)

 次に通院したときに、「保険外の方が治療としてはやっぱりいいんですか?」とお話したら、
「それはもう、全然違いますね! 保険ですとプラスチックになるので…(略)」
と、丁寧に説明して下さいました。

 多分この人は「保険外」にしないな、と思われたかも知れないのですが、初めから説明してください!

 というわけで、保険外のかぶせ物を入れることになったのですが、
もちろん、他の歯科医院でもこういうことになるとは全く限りません。

私の勤めていた歯科医院では、検査の後、最初に先生が、治療の方針を患者様に説明。
保険と保険外の違いについてもきちんと説明していました。
高価なものもあるので、その場で決定をしてもらわず、きちんと患者様に考えて頂いてから後日、お返事をいただくことにしていてました。

 患者様に丁寧に接するということを院長はじめスタッフが徹底しているところだったので、患者様に安心して気持ちよく治療が受けていただけるように気を付け、
保険を選ばれる患者様も、保険外を選ばれる患者様にも、満足して治療を受けていただくようにしていました。

 でも時間をかけて御説明できないと、保険外の治療を患者様にお話しただけで、「儲けたいからだ」と思われてしまうかも知れません。
 患者様の今の口の中の状態から知っていただいて、必要な治療などを話し、保険と保険外の違いまでご理解いただくのに、2,3分では厳しい。
患者様にとって、中途半端な説明で納得できないのも、当然ですし、
保険治療を優先して時間に追われ(単価が安いので沢山人数を診ないといけない)、説明に時間をかけられない歯科医師の立場も分かり、
保険外のかぶせ物は「実際に儲けになる」という事実もあるので、なおさら患者様にお勧めしづらく、保険でとおっしゃられたのだ、と
勝手に憶測しました。(笑)

 はー、でも私も大きな買い物をしてしまったことには間違いありません。
やはり歯は、治療ではなく、予防が一番です!

歯周病の治療で、不都合なこと。

 歯周病は、「歯と歯ぐきの隙間」に細菌(歯垢)がたまり、歯が植わっている骨(歯槽骨)を溶かしていく病気です。

 こんな恐ろしい病気なのに、治療法は意外と単純。

「歯垢を取ること」です。

実際に歯科医院で働いていると、
歯磨きの仕方を「歯垢が取れるように磨く方法」に変えることにより、歯周病が改善していく様子を、多くの患者様と共に目の当たりにします。

 それでも今も、歯周病が人々を悩ませているわけは、
・ 歯周病予防のための知識を教えてもらう機会が少ない。
・ 1日1回、毎日歯垢を取り除くことを「継続」しなければならない。
・ 歯の形が複雑で、細かいところにある歯垢を取ることが意外に面倒くさい。
・ 直接命に関わるとは限らない病気なので、最終的には歯を抜けばよく、本気で病気に向き合う気持ちになれない。
・ 禁煙などを勧められると、「自分には無理だ」と思って諦めてしまう。
・ 無自覚に進む病気のため、気が付けば、歯周病が進行しており、治療できない状態、または治療出来てもそこから改善するのに、患者様自身の自覚と努力が大きく必要な状態になっている。

 などがあるからなのかと思われます。

 さて、それらを乗り越え、一度罹った歯周病が改善に向かった場合でも、
実は、病気の痕跡というか、患者様にとって都合の悪い状態もでてきます。

 歯周病が治癒していくのは喜ばしいことですが、
患者様にとって一番気になるのは、「歯根が露出」してしまうことかも知れません。

『4,歯はこんなふうになっている。 「歯の構造と、歯周病の発生と行方」』でも載せましたが、歯はこんな形をしています。

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(模型です。)

歯周病で歯槽骨が溶けてしまうと、歯ぐきの位置が歯根側に後退し、歯の根の部分が見えてしまう状態になるのです。

 病気としては治癒し、歯ぐきの健康状態も改善しているのですが、溶けてしまった歯槽骨の位置まで、「歯ぐきの位置」も、後退して下がります。
 「病的に腫れていた歯ぐきの腫れが引き締まった状態」で、病的な状態からは良くなっているのですが、歯石を取ったり歯ぐきの腫れが引いたことで隠れていた歯根が直接見えます。
 あまり極端な場合等、医師の判断や患者さんの希望により外科的に戻す処置をする場合もありますが、生体のことで可能と不可能があり、時間もかかるようです。

 「歯根が見えてきてしまう」ことで不都合なことは、主に、

・歯根が見えてくるために歯が長く伸びたような形に見える。

・歯がしみる。(今まで歯石に隠れていたり、腫れた歯ぐきの中にあった歯根が露出し、水などの刺激を直接受けやすくなったため。歯科医師に相談し適切な処置やアドバイスをもらいます。)

・歯と歯の間に隙間が出来る。

などだと思いますが、進行すると歯を残せないほど歯槽骨が溶けてしまうのが歯周病なので、
その進行が途中で止まり、このままいくと抜ける状態だった病気の進行が止まった状態、
もとの健康だったときの状態と、違ってしまうのは、他の病気と共通するところもあるのかも知れません。

 さて、やっと治癒にこぎつけたら、ここからは再発防止に力を入れましょう。

かかりつけの歯科医院に定期的に通いながら、クリーニングを受け、虫歯や歯周病のチェックを受け、歯垢の残っている場所をチェックしてもらいそこにも歯ブラシを当てるように工夫していきます。
 患者様と歯科医院、二人三脚のように共に歩む、長い道のりになります。

『一日で終わる』 最先端歯周病治療ペリオド。全歯30~60万円。

平成25年1月28日放送のテレビ番組、「モーニングバード」で石原良純さんが、歯周病の最先端治療について取材していました。

「東京医療再生センターの清水智幸院長」を訪ね、
 病的口臭の原因のうち一番多いのが歯周病で、三十歳以上の8割が感染しているということを教わった後、 良純さんの口の中から、歯垢を取りだし、顕微鏡で見て、「生きている細菌」の元気に動く様子を確認。
 これが歯と歯ぐきの隙間にたまり、歯ぐきと骨を破壊して歯周病をおこす、と説明を聞きます。

歯周病の悪い方には心臓病(心筋梗塞)も多く、他の疾患になる危険性も高いことを指摘された後、

いよいよ最先端の治療法について。

「歯周病の治療は、歯垢を取り除くこと」で、通常半年から1年近くかかりますが、
それを1日で完了させる、という歯周病の最先端治療法「ペリオド」(period)。

超音波、レーザー、アミノ酸噴射の3つの治療器機を組み合わせて治療します。
まず超音波で細かい歯垢を取り除き、次にレーザーを使って除菌、最後にアミノ酸の高圧噴射で残った歯周病菌を吹き飛ばして、およそ2~3時間で治療完了。

 アミノ酸噴射では、回りの組織を傷つけることなく、歯垢だけを選択的に除去出来るのだそうです。

お値段てきには、全部歯が残っている方だと、自費(保険がきかない)で30~60万円。

 で、歯垢はすっかり除菌されます。

ただ、歯垢は細菌の塊なので、いったん減らしたとしても、また増えてくるのが通常のこと。
もちろんペリオドをした後も、時間の経過と共に、細菌はまた増殖を始めます。

その後のお手入れが最大の課題、というところです。

 歯垢の増殖を抑えるのには、毎日の歯ブラシ+歯間ブラシ(又はデンタルフロス)をつかうことによって50パーセントほど口の中の歯垢を落とすことが出来るとの話でした。

 この治療法を受けるかどうかは別ですが、情報としては知って良かったです。
歯周病治療を1日で完了する「ペリオド」の治療法は私もはじめて聞いたのですが、
歯垢の細菌自体は、ペリオドで一度菌数を減らすが、またその後も増殖し、完全に取りきれる訳ではない、と聞いて、

正直、ちょっと納得しました。
 そんな夢のような機械は、まだですよね。
 デメリットはないのか、など興味がわいてきます。
歯周病治療は確実に進化しているようですが、費用を考えると、高価なのがネックです。

 予防でも気軽に使えるくらいのお値段になる日も、そう遠くなければいいな、という願望はありますが、「1日で完了する治療法」ができ、それをその値段で、「するかしないか決める」という選択肢が出来て、良かったと思います。

 歯周病で、「このままの清掃状態なら、抜歯しかありません」という時など、どうしても残したいと切望する方には、当面の切り札になるかも知れません。
 歯周病は、重症になればなるほど、治療が困難になり時間もかかります。
今までは一日で治療が終わるなどということはなく、半年単位で経過を見たり、その間の清掃の状態で、また悪化したりなど、歯科衛生士とも二人三脚、「長いお付き合いになる」と言う感じで治療が進められるような病気でした。

 ただ、歯周病は一度治療して治った後でも、歯垢がついて状態が悪ければ何度でも再発します。
歯科衛生士としては、その後の歯磨き、歯垢除去の重要性を患者様にご理解頂き、その後の歯ぐきの状態をいかに健康に保てるのかが、一番の課題になりそうです。

 このペリオドを施術してもらい、細菌数を減らした良純さんの、締めのコメントは「只今、細菌増殖中」でした。
細菌(歯垢)を落とす日々のブラッシングが、一番の歯周病治療、ということは今後も変わりなさそうです。

 歯周病についての説明は、ここからしています。ご覧になっていない方はぜひどうぞ(^^)。
『1,ココから順番に書いています。 (歯周病)』

なぜ、「普通?の歯の磨き方」では歯垢が落ちないのか、検証してみました。(3面磨きの方法)

 日本人の多くが毎日歯をみがきますが、

8割以上が歯周病に罹ります。

 歯垢が少なければ、歯周病にはなりませんから、
「歯磨きしているのに、歯垢が残っている」という状況が、あるのです。
 そこで、歯周病にかかられた患者様には、たいてい、歯科医院で歯の磨き方、
ブラッシング指導が入ります。

 でも、なぜ今まで通りの磨き方では歯垢がとれないのでしょうか?

 普通に歯ブラシを口に入れ、歯磨きしているのに、柔らかい歯垢がとれない、
歯を磨いてるのに、キレイにならないなんて一見、不思議で仕方がありませんが、理由の一つは、歯の形にあると思います。

 今日はそれを検証してみたいと思います。

 では、歯ブラシを歯に当ててみます。

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そこから前に動かし…、

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後ろに動かします。

 P1030485

歯列に沿って歯ブラシは動くので、手前の歯が少し大きいと、一番奥の歯には全く毛先が届きません。
(これを改善するには、この位置のまま歯ブラシの柄を頬側に傾けます。
詳しくはこちらの記事。『9, 後半 「歯周病予防の歯の磨き方。ブラッシング指導。」 詳細。』

 

 よく見られる、2,3歯分を一度にシャカシャカと磨く歯ブラシの動かし方ですが

歯ブラシで磨けていたのが、「青色の線の部分だけ」だったことが分かりますか?

 P1030488-point1

実際に毛先が歯に当たっているのは、
青い線の部分だけです。

1本の歯に注目して見てみましょう。
歯ブラシを当てたとき、歯に毛先が当たっているのは、ココだけ。

P1030488-point2

 こんな感じです。
(赤い三角の部分は全く磨けません。)

 もう少し、力を入れて磨けば……と思うかも知れないのですが、
実は力を入れても、当たっている青線の部分に圧が強くかかるだけで、歯と歯の間にはあまり毛先が届かない状態が続きます。

実際には、歯ブラシの回りの毛ははねて、毛先で歯垢を捕らえることが難しくなり、
また、毛先の広がらない歯ブラシで磨いても、青いところに強い圧がかかって、赤い部分はあまり磨けないという結果です。

 多分、これが多くの方の「歯磨き」の状態です。

 歯ブラシの毛先ではなく、側面を利用した磨き方なら届くはず。ということで、(かどうかは全く定かではありませんが、)
 以前、ローリング法という歯磨きの仕方が全盛でした。

歯ブラシの脇腹を使う方法で、上の歯は歯ブラシの毛先を上に向けて、歯ブラシの脇腹を歯ぐきに当て、そこから下ヘ手首を回転して歯ブラシの毛を降ろして磨き、歯ぐきと歯を同時に清掃する(下の歯は向きを逆にする)という方法でした。

 ただ、歯垢除去ということでみると、
歯ブラシの脇腹で歯と歯ぐきの境目の歯垢を落とすのは難しく、歯垢が落ちにくいということで、今は主流ではなくなりました。

 実際、歯に付いた歯垢は歯ブラシの毛先で多く落ちます。
なので今日は、その毛先を歯垢に当てる方法をお知らせしたいと思います。

 まず、写真で見た「磨いているのに、歯ブラシの毛先が届いていない状況。」
 これを回避するため、
1,歯ブラシを細かく、小さく動かす。(1歯1歯磨く感じです。)
2,歯の形を理解する。

ということが必要かと思います。

さて、分かりやすくするため、上の前歯で見てみましょう。

 

前述の磨き方で気になる磨き残しは、ピンクの部分です。

P1030481-point1

 そこで、歯の表側を磨くとき、「3面」を意識します。

「手前側」の面に毛先を直角に当ててみます。
歯面に対して直角に歯ブラシの毛が当たると、歯垢が落ちやすくなります。

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奥側の面

P1030491

そして、正面。

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裏側を磨くときも同じ。

手前の面。

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奥側の面

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 そして正面です。

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下の前歯の裏側は、舌に当たるところなので、この磨き方をすると、歯垢がとれてすっきりした感じが実感していただけると思います。
 奥歯の磨き方は、前歯のように3面に対して毛先を直角に当てることはできませんが、2,3歯を一度に磨く大きな動かし方ではなく、1歯だけを磨くように細かく歯ブラシを動かして、奥の面と手前の面に毛先が届くよう意識して磨いてください。
 この他の歯磨きの記事、よろしければコチラからお読み下さい。
『8, 前半 『歯周病予防』のためのブラッシング指導。ぜひ受けて頂きたいので、その様子を書いてみました。』

ただ、歯ブラシの毛先が歯ぐきや歯に付いているときは、力を入れてはいけません。
もう、「歯磨き」という言葉のイメージから離れるかと思われますが、
「歯を、ブラシで擦って磨くイメージ」ではなく、「あまり力を入れずに細かく揺らすイメージ」です。

力を抜いて、毛先はほとんど移動しない、ただ振動している位の、細かい動きにしてください。
数ヶ月同じ歯ブラシを使っても毛先が開くことがないような圧です。
(実際には毛の弾力がなくなるので1ヶ月ほどで歯ブラシは取り替えて下さい。)

 サイトでは皆様お一人お一人の実際の状態は分かりませんので、ぜひ、参考にして歯科医院の歯科衛生士さんにみてもらって下さい。

よろしければこちらの記事もご覧下さい。(^^)
・ 「なぜ、開いた歯ブラシは取り替えるべきなのか?」

・ 実はスゴイ! 「フロス」

 

7,歯周病治療のブラッシング指導を受ける際のポイント。 歯式の見方。

 歯周病治療のブラッシング指導。
口の中の歯、全てに集中するのは初めからは難しいので、まずポイントから意識したいと思います。

 そもそも歯周病は、どの歯からかかるのか。
どの歯が一番、危険か。という話ですが、もちろん個人それぞれなのですが、

一番、歯垢が残りやすく、歯周病になって抜く確率の高い歯は、
きき手側(右利きなら右側)の奥歯です。

そして反対側の奥歯も、歯ぐきと歯の境目に潜り込む歯垢を取り除くように磨きます。

臼歯部(奥歯)の寿命は、前歯部の寿命より16年短いと言われています。
(ちなみに前歯も歯周病にかからない、と言うわけではなく、重症な歯周病になって抜歯ということはよくあります。
前歯と比較すると奥歯の方が磨きにくいということだけなので、しっかり前歯も磨いてください。)

まず、ここから磨くように気を付けてみましょう。

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(上の奥歯も同様の所を磨きます。)

ワンタフトブラシというのもありますが、磨く範囲が小さく、手間なので、ここは、GCルシェロ歯ブラシをお勧めします。先端の山形の部分を使って磨きやすいように設計されており、それほど意識しない時でも、自然に当たる感じがします。
(GCルシェロ歯ブラシは、失われやすい臼歯部をいかに磨くかを追求して作られている歯ブラシです。)
毛先が歯ぐきに当たっている感触が、確認できるぐらい、ここは意識してしっかり入れていきましょう。

写真はルシェロのB20Mという若年向きのものです。
(ルシェロ歯ブラシについての私の使用所感書いてます。『最大手GCが力を入れる 「ルシェロ 歯ブラシ」』

P1030784

 

ちなみにこれがワンタフトブラシ。

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P1030799

 

普通の歯ブラシで磨くときは、歯ブラシを立てるようにして、つま先の部分の毛先を意識して奥面に当てましょう。

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 それから、歯科医院によっては、患者様のお口の中の検査結果を教えてくれるところがありますが、
そこにもし、ポケットの深さが、3㎜とか4㎜とか6㎜…などと書いてあったら、一番数字の大きい場所を気を付けて磨きます。 ポケットの深さは、深いほど(数字が大きいほど)、そこにある歯を支える骨が多く溶けていて、その分、プローブ(定規)が入りやすく、深いミリ数まで隙間が空いていることを意味しているからです。

ちなみに、みなさんが資料をもらった際の、歯式の見方は、

右上 [奥歯 ← 前歯]
[前歯 → 奥歯] 左上
右下 [奥歯 ← 前歯][前歯 → 奥歯] 左下

向かえ合わせに見ている形になるので、正面左側が、
本人の右側の歯、ということになります。

また、歯の番号が書いてあった場合には、1番が一番前の歯、2,3…と一本ずつ奥歯になっていきます。
ちなみに3番が糸切り歯、ここまでが前歯です。
一番奥の歯は7番。親知らずのある方は8番です。
(乳歯(全部で20本)はアルファベット。前歯から、「ABCDE」で表します。)

右上 8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8 左上
右下 8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8 左下

この歯式を見て、御自分の口の中に照らし合わせ、歯周ポケットの深いところを常に磨くようにして、歯垢をいつも除去し、ポケットが深くならないように努めます。

あとは、歯垢(プラーク)を落とすイメージ。

 

1. 歯垢のつく場所 「歯と歯ぐきの間」。

歯周病になる原因の歯垢はここに付きやすく、

P1030439 point2

歯と歯ぐきの間には隙間(溝)、に入り込みます。
P1030423 探針

まず、この場所をイメージしましょう。

 歯と歯ぐきの間、
① 「上の歯の表側」 
② 「裏側」 
③ 「下の歯の表側」 
④ 「裏側」

 の4ブロックあります。端から端まで残さず磨くこと。

(磨く順番は決まっていませんが、磨き残しがないように、端から端まで、自分でやりやすい順を決めて下さい。)

 

2. 次、「当てる」。

P1030517

 

 奥から順番に、確実に「当てて」いきます。
毛先が、「歯と歯ぐきの境目に当たっていること」。

それを確実にしましょう。
それぞれの歯科医院で指導される磨き方は異なると思いますが、

「確実に当たっているか」、を意識して下さい。

 

3. 「動かす」

 力を入れずに、細かく揺らすイメージです。

 (一ヶ月以上同じ歯ブラシで磨いても毛先が開かないような力です。)

 とても分かりやすい動画が、サンスターさんのHPにありました。

 参考にされると分かりやすいかと思います。

『サンスターさんのHP、「歯の表側」の磨き方の動画。』

※サンスターさんのHPで「スクラッピング法」と呼ばれているのは、このサイトの「スクラビング法」と同じです。

 

4. 「歯と歯の間も磨く」

  歯と歯の間にも歯垢はたまります。
P1030439 point3

ここは、歯間ブラシ、フロス、等、担当の歯科衛生士に選んでもらい、御自分にあったサイズものを使います。

例えば、こんな歯間ブラシ。

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これを歯と歯の間に入れ、「歯間部の歯と歯ぐきの間」の歯垢が取れるように磨きます。

P1030469

手前の歯と歯ぐきの間。
そして、
後ろの歯の、歯と歯ぐきの間。
です。

大切なのは爪楊枝(つまようじ)のように、ただ間に通すのではなく、まず奥の歯と歯ぐきの間の部分に当てて、出し入れし、次に手前の歯と歯ぐきの間に当てて、出し入れするように動かします。

 

 まずは上記のポイントの4つのイメージトレーニングから。

歯垢の細菌は24時間以上経過してから活動し始めると言われているため、1日1回、丁寧に磨くのが理想です。

 磨き方はお口の中の状況等により変わり、また様々な磨き方の選択肢がありますので、かかりつけの歯科医院で御自分に合った歯磨きの仕方を教えてもらって下さい。

では、「歯周病を防ぐ基礎知識」の記事も残り3つ。
次回はブラッシング指導記事の前半。
あとは、後半に続き、メインテナンスについて、で終了です。

次、『8, 前半 『歯周病予防』のためのブラッシング指導。ぜひ受けて頂きたいので、その様子を書いてみました。』にお進み下さい。